【いとしのエンタメ】映画「ローズの秘密の頁」

「いとしのエンタメ」、1月27日(土)にご紹介したのは、映画「ローズの秘密の頁」。

© 2016 Secret Films Limited

アイルランドを舞台に、二つの時代が描かれる。
ひとつは第二次大戦後40年ほどたった、ある精神科の病院。
40年間もの長い時間を病院内で過ごしてきたローズ・クリアという女性。
彼女は、自分の産んだ赤ん坊を殺した罪を背負っていたが、その罪を否認し続け、自身の名前も、本名とは違う「ローズ・マクナルティ」と言い張っていた。
病院の取り壊しが決まり、転院する患者たちを再診察するために訪れたグリーン医師はローズが、大切に持っている聖書の中に密かに日記を綴っていたことを知る……。

© 2016 Secret Films Limited

そしてもうひとつの時代は、その第二次世界大戦当時。ローズの記憶の中にある悲しくも美しい愛の物語。
2つの時代を行き来して、ラストには感動の奇跡がおこる。
原作は、セバスチャン・バリーの「秘密の書」。
試写を観て、浮かんだのが2014年に公開された「あなたを抱きしめるまで」という映画です。。
同じく第2次世界大戦時のアイルランドで、18歳で未婚の母となった主人公が修道院に入れられ、生まれた子供は遠いアメリカへ養子に出されてしまうのです。
50年後、彼女は息子を探しにアメリカへと向かいますが、悲痛な事実を知ります。
この作品はマーティン・シックススミスという作家のノンフィクション小説でした。
ほんの100年も経たない昔に、こんな悲しい話がたくさんあったのかと思うと胸が痛みます。
日ごろ私たちが知り得ない真実を、映画は知らしめてくれる…と、あらためて実感しました。
自分自身の真実を貫くために、ローズは聖書の中に日記を綴っていました。
その精神力に圧倒され、私自身も、自分で自分を裏切らない、そんな人間でありたいと思いました。

© 2016 Secret Films Limited

今回の「ローズの秘密の頁」は、結末に救われる素晴らしいラブストーリーとなっています。
年老いたローズを演じるイギリスの大女優ヴァネッサ・レッドグレイヴの存在感がすごい!

監督:ジム・シェリダン
出演:ルーニー・マーラー ヴァネッサ・レッドグレイヴ ジャック・レイナー テオ・ジェームズ エリック・バナ
2016年 アイルランド 108分 配給:彩プロ
2月3日(土)から テアトル梅田 シネリーブル神戸などで公開されます。
http://rose.ayapro.ne.jp/

~サウンドブランチ 鳥飼美紀~

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