きのこのお話
第45回 シモコシ
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霜が降りるような晩秋に生えるキノコなので「霜越し」の名がつきました。
とても美味しいキノコで地方によっては「金茸」と呼んで尊ばれています。
海岸の黒松林に生えるのが普通ですが、水はけの良い赤松林にも生えるので、三田近辺でも見る事が出来ます。
全身がわずかに緑がかった黄色で、天辺だけが汚褐色。肉厚でずんぐりした姿が食欲をそそります。
ところがこのキノコ、今では死亡例のある立派な毒キノコです。
筋肉が融解し、腎不全を起こすという食中毒がヨーロッパで発生しました。
幸か不幸か日本では発生例がないため、ニュースになることがありません。
おそらく今年も、国内で中毒が発生することはないのでしょうが、
最近ではネット通販もされていて、大勢の方が口にされるキノコです。
万が一のことを考えると、周知されるべきではないのかと心配してしまいます。
余談になりますが、数年前テレビのニュースで、
猛毒のニガクリタケが観光地で売られている映像を見て唖然としたことがあります。
野生のキノコは危険です。
地元の「自称キノコ名人」の話は少し疑った方が賢明です。
文/岩崎淳弘(兵庫きのこ研究会)
画/岩崎京子(水彩画家)
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兵庫きのこ研究会 http://www.hyogo-kinoko.jp/