【いとしのエンタメ】映画「嘘はフィクサーのはじまり」

「嘘はフィクサーのはじまり」

©2017 Oppenheimer Strategies, LLC. All Rights Reserved.

サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今週の「いとしのエンタメコーナー」でご紹介した作品は、リチャード・ギア主演最新作「嘘はフィクサーのはじまり」。
フィクサーとは……仲介人・調停者・事件をもみ消したり、裏取引をする人という意味だそうです。
世界金融の中心都市で、約145万人のユダヤ人が暮らすというニューヨークが舞台。
そのニューヨークを牛耳るユダヤ人上流社会に食い込もうと、ノーマンは小さな嘘を積み重ねて人脈を広げてきた。
ある日、イスラエルのカリスマ政治家エシェルに偶然を装って近づき、ブランドの靴をプレゼントする。
3 年後、イスラエル首相に就任したエシェルと再会を果たしたノーマンは、“首相のお墨付き“を武器に超大物たちの間で暗躍し始める。
しかしノーマンの行動は、さまざまな混乱を巻き起こし、国際紛争を起こしかねない事態を招く。

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存在を認められたい! 偉い人と繋がりたい! あわよくば大金を手にしたい!
そんな万国共通の人間の欲望を笑う、ブラックコメディです。
ノーマンを演じるのは、この世で最もセクシーな俳優とも言われたハリウッドスター、リチャード・ギア。
ハンチング帽に野暮ったいコート、鞄の斜めがけといういでたちで「嘘ばっかりついているおじさん」として登場します。
彼は撮影の1年前から役作りを研究し、歩き方から表情、耳の立ち方にいたるまで、お調子者だけど憎めないキャラクターを作り上げたとか。
たしかに、いつものカッコ良さはどこへやら、調子いいことばっかり言ってるけど、なんだか胡散臭いギア様は、ファンとしてはとても新鮮に思えます。
単にブラックコメデイとして楽しむだけでなく、フィクサー、ユダヤ人、イスラエル、世界的金融都市ニューヨークなどをキーワードに、アメリカにおけるユダヤ人社会の今を再認識できる作品でもあります。

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~“この一言”に注目 ~

「私の妻が、彼(有名人・あるいは権力者)の乳母だったんだ」
ノーマンは、たびたびこの言葉を使って相手の関心を惹こうとします。
なるほど、兄弟や親戚ではなく、乳母というのが絶妙だと思いませんか。
映画の後半で、皮肉にもノーマン自身が、見知らぬ男からこの言葉を聞かされます。
もしかしたら、その見知らぬ男はノーマン自身かもしれない……と思ってしまいました。

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監督:ヨセフ・シダー
出演:リチャード・ギア リオル・アシュケナージ マイケル・シーン
2016年 イスラエル・米 118分 配給:ハーク
http://www.hark3.com/fixer/
10月27日(土)~ シネ・リーブル梅田 11月10日(土)~シネ・リーブル神戸で公開されます。

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