【いとしのエンタメ】映画『彼が愛したケーキ職人』
彼が愛したケーキ職人
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今週は、イスラエルとドイツの映画「彼が愛したケーキ職人」をご紹介しました。
恋人を不慮の事故で失ったドイツ人のケーキ職人トーマスと、夫を亡くし女手ひとつでカフェを営み、息子を育てるイスラエル人のアナト。
トーマスの“恋人”と、アナトの“夫”は、オーレンという一人の男性だった。
夫の死後、カフェを再開したアナトの店に、客としてトーマスがやってくる。
職探しをしているという彼をアナトは戸惑いながらも雇うことにするが……。
台詞がとても少ないです。
後ろ姿や、考え込んでいる表情、見つめる瞳などでこちらに何かを訴えてきます。
そんなドキュメンタリー的な作り方なので、とてもリアル感があるのです。
特に、トーマス役の若手俳優ティム・カルクオフの演技が素晴らしい。
ラストに彼が涙を流すシーンは胸に迫るものがあり、一緒に泣きたくなりました。
このシーンに余計な説明は必要なし!……です。
映画の中に、「黒い森のケーキ」(シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ)というケーキが出てきます。
ドイツで生まれた、チョコレートと生クリームのケーキで、上にサクランボが乗っています。
シュヴァルツヴァルト地方の黒い森と、特産品のサクランボをイメージして作られたケーキだそうです。
トーマスの作ったこのケーキを、オーレンが丁寧に食べるシーンからこの映画は始まります。
そして、トーマスの手作りのこのケーキを、のちにオーレンの妻アナトも食べることになるのが印象的。
2018年のオフィール賞(イスラエルのアカデミー賞)のほか、世界中の映画賞を受賞・ノミネートされている作品です。
監督:オフィル・ラウル・グレイツァ
出演:ティム・カルクオフ サラ・アドラー ロイ・ミラー ゾハル・シュトラウズ サンドラ・ジャーティー
2017年 イスラエル・ドイツ 109分 配給:エスパース・サロウ PG12指定
http://cakemaker.espace-sarou.com/
12月8日(金)から、テアトル梅田、1月4日(金)からシネ・リーブル神戸で公開
されます。