【いとしのエンタメ】「天才作家の妻 40年目の真実」&「ライ麦畑の反逆児 一人ぼっちのサリンジャー」
こんにちは、サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今週は現在上映中、文学好きのあなたにオススメの『作家』が主人公の作品2つをご紹介しました。
興味のある方は、どうぞお早めに~。
まずは
『天才作家の妻 40年目の真実』
アメリカ・コネチカット州。
世界的な作家ジョセフ・キャッスルマンと妻のジョーンのもとに「ノーベル文学賞受賞」の知らせが入る。
二人はスウェーデンのストックホルムを訪れるが、栄光のスポットライトを浴びる夫を見守るジョーンの胸中には、複雑な思いが込み上げる。
何故なら…偉大な作家ジョセフと、彼に長年寄り添い支えてきた妻ジョーンの間には、絶対に誰にも言えない秘密があった。
ノーベル賞受賞式の当日、妻はその衝撃的な秘密を世界に暴露するのか、それとも…という心理サスペンス。
妻のジョーンを演じるのは、グレン・クローズ。
この作品でゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞。
さらに、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされています。
1987年「危険な情事」での迫力ある演技が記憶に残る名女優ですが、今回は知的で献身的な妻の愛憎を、繊細かつ凄みもみなぎらせて演じています。
そして、若き日のジョーンを、グレン・クローズの実の娘アニー・スタークが演じていることにも注目したいところですね。
原作では、ジョセフが受賞するのはフィンランドの文学賞ですが、映画では世界的に権威あるノーベル賞に置き換えられ、授賞式の舞台裏も見どころとなっています。
人生の晩年に訪れる夫婦の危機、結婚や人生の意味、男女の社会的地位の格差などがテーマとなった、上質でスリリングな本格派ドラマです。
原作:メグ・ウォリッツア著「The Wife」
監督:ビョルン・ルンゲ
出演:グレン・クローズ、ジョナサン・プライズ、クリスチャン・スレーター、マックス・アイアンズ、ハリー・ロイド、アニー・スターク
スウェーデン・アメリカ・イギリス合作 2017年 101分 配給:松竹
http://ten-tsuma.jp/
大阪ステーションシティシネマ 神戸国際松竹で、現在大ヒット公開中です。
そして、
『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』
1939年のニューヨーク。
大学中退を繰り返していた20歳のジェリー(サリンジャー)は、コロンビア大学の創作文芸コースを受講する。
文芸誌「ストーリー」編集長でもあるバーネット教授のアドバイスを受け、短編を書き始めるが、第二次大戦が勃発し、入隊して戦争の最前線での地獄を経験する。
終戦後、苦しみながら完成させた初の長編小説「ライ麦畑でつかまえて」がベストセラーとなり、ジェリーは一躍天才作家としてスターダムに押し上げられる。
だが、彼は次第に世間の狂騒に背を向けるようになり…。
作家を目指している、または文章を書くことが好きな人にとって、バーネット教授の一言一言が心に響きます。
なかでも、「何の見返りもなく、生涯を通して物語を書く意思があるか」という言葉は、晩年のサリンジャーの人生と重なります。
この作品で、父親との確執、恋人の裏切り、戦争体験の苦しみ、恩師との絶交など、サリンジャーのドラマチックな人生がつぶさに明らかになります。
戦争のトラウマや、周囲の人々の無理解に傷つくサリンジャーの心にずっと寄り添っていたのは、彼の分身であるホールデン(ライ麦畑でつかまえての主人公)でした。
ホールデンの存在こそが、“書き続ける”という執念となってサリンジャーの中に生き続けたのでしょう。
とても見ごたえのある“作家の生きざま”です。
監督:ダニー・ストロング
出演:ニコラス・ホルト、ケヴィン・スペイシー、ゾーイ・ドゥイッチ、ホープ・ディヴィス、ヴィクター・ガーバー、サラ・ポールソン
アメリカ 2017年 109分 配給:ファントム・フィルム
https://www.rebelintherye-movie.com/index.html
大阪ステーションシティシネマ TOHOシネマズ西宮OS シネ・リーブル神戸なで絶賛公開中です!