【やまよもやまばなし】「竹中大工道具館、周辺の森と庭ツアー」に参加してきました!

こんにちは。ハニー・サウンド・マルシェ 火曜日担当の藤元愛です。
今日の「やまよもやまばなし」は番外編、竹中大工道具館で開催中の企画展「SOMA 日本の森と素木の家具」から派生したイベント「竹中大工道具館、周辺の森と庭ツアー」に参加してきました。

新神戸駅そばにある竹中大工道具館の庭とすぐ裏手にある六甲山・布引の滝までの森を歩きながら、森の案内人・三浦豊さん、木工家・SOMAディレクター・川合優さんがお話をしてくださるというツアー。

普段山に登るときは“登る”ことに一生懸命で、“森”の中をじっくり観察することはなかったなぁ…との思いから参加してきました。
はたして、日本の森の素晴らしさ、奥深さ、庭の意味を実感できたツアーとなりましたよ!

たくさんの木々を紹介してくださった三浦さん。
中でも印象に残っているものを番組でも紹介しましたが、ここでは写真で辿っていきましょう。
まずは竹中大工道具館の庭にある巨木から。

皆さんよく御存じの楠です。道路沿いにもよく生えていますね。神戸市の木でもあります。
楠は巨木になるため日影が多くなり、あまり庭には向いていません。
しかしながら竹中大工道具館では上手に剪定してあり、陽が射すようになっていました。
かつては丸木舟として中をくり抜いて使用していたそうです。

新神戸の道を少し歩いて布引の滝のある登山口へ。
すぐに現れたのがムクノキです。
幹の皮がめくれている、むけているから「ムクノキ」だそう。
ムクノキは急斜面に生えています。落ち葉がたまらない、土が流れてしまうようなところに根を張るムクノキ。
なんでこんな育ちにくい所に?と思ったら、その方がライバルが少ないからだそう!
ムクノキの戦略です。
ちなみにこのムクノキの葉は裏がざらざらしているので、サンドペーパーとして使えると川合さん。

ムクノキに代わって今、六甲の山を席巻しているのがアラカシです。
実は六甲山、明治のころは地肌がむき出しの荒れ地だったのをご存知でしょうか?
明治のころは神戸港ができ、船の燃料として木がたくさん使われました。そのため六甲山の木が伐採され、土の山になってしまったのです。
しかし、今は木々が切られることはなくなり、どんどん土が肥沃になってきて多くの木が生える様になりました。
ムクノキは落葉樹のように厳しい環境でも育っていましたが、アラカシは肥沃な土を好みます。
つまり、六甲はどんどん土の栄養分が高くなり、生える植物が変わってきているということなのだそう。(これを「遷移」と言うそうです)
アラアシの葉は特徴的で、葉の半分がギザギザ、葉柄(枝から葉までの細い部分)が1㎝ほどあり、他の樹木よりも長めです。
六甲に行った際はぜひ注目してみてみてください。
あそこにも、ここにも、アラカシだらけです。
ちなみにアラカシのカシはカタシから来ていて、固いので大工道具などの柄によく使われるのだそうですよ。

岩場に生えるモミジ。
六甲が緑の山になる過程に最初に生えたのが落葉樹だそう。
落葉樹の多くは土が痩せていても育ちます。
紅葉の名所はたいてい滝と岩場ではないでしょうか。
つまり、モミジは岩の間に根を張り、そのわずかな隙間から水分や養分を得ているのだそう。
そんな風に落葉樹が痩せた土地に育ち、やがて秋になって葉を落とし、それが土に帰って養分となる。
肥沃になれば、今度は常緑樹の木が育っていくというサイクルなのだそう!
森の偉大さを感じます。

目を引く木としては続いて現れたアオキです。
幹が緑色なので、青い木と書いて青木。昔は緑のことを青と言っていましたね。
大きな赤い実を付けますが、実が大きいので食べる鳥はヒヨドリだけ。
美味しそうに見えますが人間が食べると・・・美味しくはないようです。

三浦先生注目の木・タブノキです。
タブはタム=魂の意味だそう。
肥沃な土地に生え、豊かさの象徴として古くから信仰の対象となってきた木です。
このタブノキ、実はアラカシの次に六甲を席巻する木では?と三浦先生は考えているそうです。
このまま伐採や台風などによる倒木がなければ23世紀ごろにはタブノキの森になっているかも?!

見晴らし台から神戸の街を見下ろして休憩~
確かに下を見るとアラカシの木ばっかりです!

そして、六甲山を下り、様々な樹木を見ながら新神戸に戻り、普段は入ることのできない竹中大工道具館のお庭に入れていただきました。
もともと竹中大工道具館の会長のご自宅だったそうで、広い敷地の中には茶室とお社があり、これは当時のままとなっています。
お社の周りにはサカキが植えられ、森を表しています。
奥には六甲山を見ることができる「借景」が取られています。

そして茶室の庭は大自然を表現する「市中の山居」(写真がなくてすみません・・・)
全て常緑の大きくならない木が植えられています。
また、立っていると目線が遮られ、人と目が合いにくくなっています。そうして世の中の塵を全て払い、心を清めてから茶室に通されます。

一方で現代的な日本庭園もあり(上の写真)
こちらはお茶室の庭と違って落葉樹も植えられています。
常に生命力を感じさせる茶室の庭とは打って変わり、現代人は庭に四季の移り変わりを見たいと感じているためだそう。
サクラやモミジ、そして枯山水。想像力を広げて大自然を感じる「縮景」が取られています。

森から庭園に帰ってきた時は「森がよかったな」と思いましたが、確かに庭の中に自然が織り込まれ、森にいずとも森の息吹を感じることができました。
植物の持つ力は私たちにエネルギーを与え、想像力まで与えてくれる。
木々の中にいる自分を想像するだけで心が豊かになれる、そんな気がしたツアーでした。
これから山に行くときは、また違った感覚で登れそうです。

竹中大工道具館 https://www.dougukan.jp/

こちらの記事もどうぞ

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.