【いとしのエンタメ】イギリス映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」

サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
このコーナーでご紹介する“イギリス王室もの”映画、今年3作目となります。

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16世紀のイングランドとスコットランド。
スコットランド女王メアリー・スチュアートは、15歳でフランス王太子と結婚し16歳でフランス王妃に、そして18歳で未亡人となり母国スコットランドに戻ってくる。
彼女には、隣国イングランドの王位継承権を主張できる血が流れていた。
一方、イングランドの女王エリザベスⅠ世は、25歳で即位したが、王位継承者がいなかったため、結婚して世継ぎを産むようプレッシャーをかけられていた。
しかし、結婚によって生じる王位継承をめぐる王室の混乱を避けるため、エリザベスはみずからの結婚を拒否していた。
そんなエリザベスは、恋愛や結婚・出産を経験し、若く美しく自信にあふれたメアリーに複雑な想いを抱いていた。
メアリーとエリザベス、ふたりは従姉妹という関係でありながら恐れ合い、陰謀渦巻くそれぞれの宮廷の中で運命に翻弄されていく……。

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スコットランドの壮大な風景とメアリー役のシアーシャ・ローナンの透き通るような美しさに、何度もため息が出ます。
ふたりの女王、メアリーとエリザベスは、織田信長や徳川家康と同時代を生きました。
当時、日本は戦国時代でしたが、ヨーロッパもまた弱肉強食の戦国時代だったのです。
エリザベスⅠ世を語るとき、必ず触れられるのがスコットランド女王メアリー・スチュアートですね。
ふたりはライバルでありながら、従姉妹でもあり、そしてお互いだけが理解できる立場にいたはずです。
頻繁に文通を続け、エリザベスはメアリーの子供の名付け親にもなっています。
それなのに、共存できずに悲劇の結末となったのは何故なのでしょうか。
男性優位の時代に女性が頂点に立つということは、多くのことを犠牲にしなければならなかったし、重圧も計り知れなかった……
男たちの権力争いに利用された生き方と、それを全力で防いだ生き方……ふたりの生き方の違いが、くっきりと浮かび上がる作品です。
これまで映画に限らず舞台や書籍でも、彼女たちの顛末を観たり読んだりしましたが、この作品ですべて腑に落ちた気がします。

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監督:ジョージー・ルーク
出演:シアーシャ・ローナン マーゴット・ロビー
2018年 イギリス 124分 配給:ビターズ・エンド、パルコ
http://www.2queens.jp/
3月15日(金)から、大阪ステーションシティシネマ、シネリーブル神戸、TOHOシネマズ西宮OSで上映中。

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