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【いとしのエンタメ】映画「バイス」

サウンドブランチ 鳥飼美紀です。

今週ご紹介した作品は、アカデミー賞にもノミネートされた『バイス』というアメリカ映画です。

© 2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved.

副大統領でありながら、“影の大統領”としてホワイトハウスの権力を掌握していたという、ディック・チェイニーが主人公の実話!
もしも、副大統領が人形遣いのように大統領を操り、すべきでない戦争を他国に仕掛け、アメリカを、そして世界中を変えてしまったら……。
タイトルの『バイス』には、バイス・プレジデント(副大統領)を指すだけでなく、“悪徳”や“邪悪”という意味もこめられているとか。
この映画に描かれていることが事実だとしたら……背筋が寒くなる……そんな社会派ブラック・エンターテインメントです。

© 2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved.

1960年代半ば、主人公ディック・チェイニーはろくに授業にも出ない酒癖の悪い大学生だった。
酔っぱらって警察沙汰になった彼を救ったのは、野心家で優等生の恋人リン。
チェイニーは、彼に向かって罵声を浴びせるリンに「二度と君を失望させない」と誓う。
その後、彼は共和党下院議員ラムズフェルドのもとで働き始める。
ラムズフェルドの失脚で一度は政界を離れたり、病に倒れたりもするが、妻となったリンの活躍で復活。
ついには、ジョージ・ブッシュ政権での副大統領の座にまで上りつめる。
副大統領となったチェイニーは、ブッシュを丸め込んで思い通りの人事を行い、”影の大統領”として権力基盤を固める。
そして、2001年に発生した9・11同時多発テロ。
彼は”テロとの戦い”の大義名分のもと、巧妙な情報操作を行い、世界に取り返しのつかない新たな悲劇の種をまいていく。
妻の指さす方へ歩いて行く……たとえその先に悲劇が待っていようとも……。

チェイニーとその妻リンが、マクベス夫妻と重なるような気がします。
ただ、チェイニーは権力のためなら何でも犠牲にする人間ではなかったようです。
彼に妻や娘たちを守り抜く“家族愛”があったように思えるのは、救いでもあり皮肉でもあります。
そして、チェイニー、ラムズフェルド、ブッシュ、パウエル……登場人物のそっくりさんぶりも、見どころのひとつとなっています。

監督:アダム・マッケイ
出演:クリスチャン・ベール エイミー・アダムス スティーヴ・カレル サム・
ロックウェル
2018年 アメリカ 132分 配給:ロングライド
https://longride.jp/vice/
4月5日(金)から、TOHOシネマズ梅田 シネ・リーブル神戸 TOHOシネマ
ズ西宮OSなどで公開されます。

さて、この【いとしのエンタメ】コーナーですが、4月からはタイトルが【とっておきシネマ】に変わります。
派手さはなくても、心に響く“とっておき”の映画をご紹介しよう……そんな思いを込めて、タイトルをリニューアルしました。
4月からもサウンドブランチ【とっておきシネマ】を、どうぞよろしくお願いします!

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