【とっておきシネマ】アメリカ映画「ビューティフル・ボーイ」
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今週ご紹介した映画は、日本でも連日報道されている『ドラッグ』問題を扱った作品です。
原作は、薬物依存の息子と彼の更生を信じる父、それぞれの視点で書いた2冊のベストセラー回顧録です。
どちらもがアメリカ中で絶賛を浴び、ベストセラーとなりました。
成績優秀でスポーツ万能、将来を期待されていたニックは、ふとしたきっかけで手を出したドラッグにのめり込む。
更生施設を何度も抜け出したり、再発を繰り返すニックを、大きな愛と献身で見守り包み込む父親のデヴィッド。
何度裏切られても、息子を信じ続けることができたのは、すべてをこえて愛する存在だから……。
現在、日本でも大きな問題となっている薬物依存症。
50歳以下のアメリカ人の死因第1位は、薬物過剰摂取だそうです。
命を落とさなくても、更生に至るまでには本人と家族に凄まじい闘いが必要とされ、ニックの場合は8年かかりました。
この物語の父親デヴィッドは、薬物中毒の息子ニックに真剣に向き合い、溢れるばかりの愛情を注ぎます。
親という存在のありがたさ、無償の愛というものの真実がひしひしと伝わる感動作です。
とてもつらい作品ですが、観るべき価値があります。
作品タイトルは、ジョン・レノンの「ビューティフル・ボーイ」(1980年)という曲から。
ジョン・レノンが、当時5歳になる息子ショーンに捧げたこの曲は、劇中でも子守唄として象徴的に使用されています。
なお、音楽ライターだった父親デヴィッドは、ジョン・レノンの生前最期のロングインタビューを行ったそうですよ。
そんな繋がりからの作品タイトルなのでしょうか。シンプルですが、心に残るタイトルです。
原作:デヴィッド・シェフ ニック・シェフ
監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
出演:スティーヴ・カレル ティモシー・シャラメ モーラ・ティアニー エイミー・ライアン
2018年 アメリカ 120分 R15 配給:ファントム・フィルム
https://beautifulboy-movie.jp/
4月12日(金)から、大阪ステーションシティシネマ 109シネマズHAT神戸 シネ・リーブル神戸 TOHOシネマズ西宮OSなどで公開されます。