【とっておきシネマ】『誰もがそれを知っている』&『リアム16歳、はじめての学校』
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今週は、全く雰囲気の異なる作品2本をご紹介しました。

© 2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION – MORENA FILMS SL – LUCKY RED – FRANCE 3 CINÉMA – UNTITLED FILMS A.I.E.
まずは、『誰もがそれを知っている』(スペイン・フランス・イタリア映画)
アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『セールスマン』(2016年)のアスガー・ファルハディ監督の最新作。
スペインを舞台に、喜びに満ちた結婚パーティーの真っ最中に起きた誘拐事件が、家族の秘密を呼び覚まし、疑惑や嘘が錯綜していく極上のヒューマン・サスペンスです。

© 2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION – MORENA FILMS SL – LUCKY RED – FRANCE 3 CINÉMA – UNTITLED FILMS A.I.E.
妹の結婚式のため、アルゼンチンから故郷スペインに娘と息子を連れて帰省したラウラ。
年老いた父親、姉夫婦、姪、そして幼なじみのパコと久々の再会を果たす。
パコは、ラウラの一族から譲り受けた土地でブドウ農園とワイナリーを経営している。
しかし再会の喜びもつかの間、結婚パーティーのさなか、ラウラの娘が誘拐され巨額の身代金を要求される。
その事件をきっかけに、家族の中で長年隠されていた秘密が露わになっていく…。

© 2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION – MORENA FILMS SL – LUCKY RED – FRANCE 3 CINÉMA – UNTITLED FILMS A.I.E.
物語のごく最初の部分に、その後の出来事に影響する“ある事実”を暗示する会話が出てきます。
「ん? この台詞、何かある!」と気づいたら、その後の展開も「ほらほら」「やっぱり」と楽しめます。
そして、タイトルの『誰もがそれを知っている』の誰もが知っていることとは、何なのか?
誰もが知っているがゆえに、誰もが疑心暗鬼になっていく……さぁ、あなたは気づくことができるでしょうか?
ラウラを演じるペネロペ・クルスとパコを演じるハビエル・バルデムはどちらもスペイン出身で、実生活では夫婦。
監督は、この二人をイメージして脚本を書いたそうですよ。
監督:・脚本 アスガー・ファルハディ
出演:ペネロペ・クルス ハビエル・バルデム リカルド・ダリン
2018年 スペイン・フランス・イタリア 133分 配給:ロングライド
https://longride.jp/everybodyknows/
6月1日(土)~ テアトル梅田 シネ・リーブル神戸で公開
そして、とってもユニークで可愛い、カナダの映画『リアム16歳、はじめての学校』もオススメ!
シングルマザーのクレアは、息子リアムの天文学者になりたいという夢を叶えるため、幼い頃から自宅で英才教育をしてきた。
そのため、色々な雑音や誘惑の多い学校には通わせず、高卒認定試験を受けさせ有名大学に入学させようとしていた。
一緒に遊ぶ友達のいないリアムにとって、母親のクレアは唯一の“親友”だった。
ところが高卒認定試験の日、リアムは受験会場となった学校で偶然見かけた女の子に恋をしてしまう。
彼女の名前はアナスタシアといい、義足を着けていた。
アナスタシアと仲良くなるためにリアムはわざと試験に落ちる。
クレアは激怒するが、リアムは次の試験までの間、学校に通うことを決める。
リアムはアナスタシアへの恋を実らせることができるのか、そしてクレアとの親子関係はどう変化していくのか……。
とってもキュートで、愉快で、可愛い作品です。
クレアとリアムは、いわゆるマザコンといわれる関係ですが、もう突き抜けすぎて爽快感さえあります。
リアムが学校に通うことになる過程も、“信じられな~い!”設定で、とてもユニーク!
カラフルでポップなビジュアル、風変わりな親子愛、誰もが笑顔になるハートウォーム・コメディです。
監督:カイル・ライドアウト
出演:ジュディ・グリア ダニエル・ドエニー シオバーン・ウィリアムズ アンドリュー・マックニー
2017年 カナダ 86分 配給:エスパース・サロウ PG12指定
https://liam-hajimete.espace-sarou.com/
シネ・リーブル梅田、元町映画館で、5月24日(金)から上映中!