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【とっておきシネマ】 フランス・スイス合作『田園の守り人(もりびと)たち』

サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今週ご紹介した映画は、第一次世界大戦下のフランスで、出征した男たちに代わって日々の暮らしを守った女たちの物語です。

©2017 – Les films du Worso – Rita Productions – KNM – Pathe Production – Orange Studio – France 3 Cinema – Versus production – RTS Radio Television Suisse

第一次世界大戦下のフランス。
2人の息子を戦場に送り出した未亡人オルタンスは、やはり夫を戦場にとられている娘ソランジュとともに、農園の作業に追われている。
収穫時期が迫り人手を確保するため、オルタンスは若い働き手フランシーヌを雇い入れる。
孤児として育ったフランシーヌは誠実に働き、オルタンスからの信頼も得ていく。
そして、前線から一時休暇で帰ってきた次男ジョルジュも、フランシーヌに惹かれていくが……。

©2017 – Les films du Worso – Rita Productions – KNM – Pathe Production – Orange Studio – France 3 Cinema – Versus production – RTS Radio Television Suisse

ミレーの絵画を思わせる美しい田園風景が印象的ですが、その中で服の裾を泥で汚して懸命に働く女性たちの姿も、また心に残ります。
戦場で男たちは命がけで闘い、残された女や老人たちも必死で国を守っていた、そんな厳しい時代に生きた人たちの物語。
体力的にも精神的にもタフでなければ生きるのが難しい時代を、映像を通して実感させられます。
はじめはオルタンスとソランジュ母娘の苦労に視線がいきますが、そのうちにフランシーヌの凛とした生き方に引き込まれていきます。

©2017 – Les films du Worso – Rita Productions – KNM – Pathe Production – Orange Studio – France 3 Cinema – Versus production – RTS Radio Television Suisse

実はオルタンスとソランジュを演じるナタリー・バイとローラ・スメットは、本当の母娘だそうです。
そしてこの作品のもう一人の主人公フランシーヌを演じたのは、全く演技経験のないイリス・ブリーという女性です。
たまたまキャスティング・ディレクターが本屋のドアのところでイリスに出くわし、声をかけて実現したキャスティングだそうです。
素晴らしい存在感を醸し出すイリス・ブリーは、書店のドアですれ違っただけでキャスティング・ディレクターの心をわしづかみたのでしょう。
戦時下の女性たちがどのように生き、何に絶望し、何に希望を見出したのか…3人の女性からしっかりと感じ取りたい作品です。

©2017 – Les films du Worso – Rita Productions – KNM – Pathe Production – Orange Studio – France 3 Cinema – Versus production – RTS Radio Television Suisse

原作:エルネスト・ペロション
監督:グザヴィエ・ボーヴォワ
出演:ナタリー・バイ ローラ・スメット イリス・ブリー
http://moribito-movie.com/
配給:アルバトロス・フィルム

7月19日(金)~テアトル梅田などで公開 (シネ・リーブル神戸は8月16日(金)~上映)

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