【とっておきシネマ】『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』

サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
1990年代半ばから2010年の間に生まれた世代を「ジェネレーションZ」と呼ぶそうですね。
生まれた時にはすでにインターネットがあり、子どもの頃からスマートフォンを手にして育った世代です。
今週ご紹介した映画は、そんなジェネレーションZの成長、恋愛、青春をリアルに描いて、全米で社会現象を巻き起こした話題作です。

©Shooting Star Filmcompany – 2018

もうすぐ高校生になる主人公のケイラ。
学年末には、生徒の投票でスポーツ賞、お喋り賞、ひょうきん賞など色々な賞が発表される。
ケイラは「無口賞」に選ばれてしまった。
体形に自信がなく、おとなしく目立たない彼女が欲しいものは“自信”と“友人”。
そんなケイラだが、SNSの世界ではとても冗舌なのだ。
趣味は、毎日が素敵になるライフスタイルアドバイスの動画をアップすること。
“クール”な自分をアピールしようと懸命だが、誰からも反応はない。
そんな時、一日高校体験で案内役をしてくれたオリヴィアと親しくなる。

©Shooting Star Filmcompany – 2018

タイトルの「エイス・グレード」というのは、アメリカの学年で8年生(日本では中学2年)。
アメリカでは8年生が中学校最後の学年となるそうです。
しかも、この映画では進学の前に一日高校体験があったり、銃乱射事件を想定して訓練が行われたりします。
そんなアメリカの学校生活を知るのも新鮮に感じますが、子どもたちがSNSに翻弄されるのは日本もアメリカも同じなのだと、ため息が出る部分もあります。
でも、ケイラが自分を大切にしているからこそのラストに、清々しさを感じることができる作品です。

エルシー・フィッシャー演じる主人公ケイラはキュートで愛おしい。
さらに、ジョシュ・ハミルトン演じるケイラのパパにも注目です。
彼は、シングルファーザーでケイラを育てていて、難しい年頃の娘からウザイと思われても、けっして彼女から目を離しません。
そんな親子関係も、子育てに迷う親御さんに何かヒントを与えてくれるのではないでしょうか。
是非、ご家族で観ていただきたいと思います。

監督・脚本:ボー・バーナム
出演:エルシー・フィッシャー、ジョシュ・ハミルトン、エミリー・ロビンソン、ジェイク・ライアンほか
2018年 アメリカ 93分 配給:トランスフォーマー
http://www.transformer.co.jp/m/eighthgrade/
9月20日(金)からシネ・リーブル梅田、9月27日(金)からシネ・リーブル神戸で公開されます。

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