【とっておきシネマ】アイルランド・アメリカ合作映画 『グレタ』
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今週のとっておきシネマは、珍しく“怖い”映画です。
オカルト、ホラー、スリラー……気の小さい私は、ちょっと苦手でほとんど見ません。
過去を振り返っても、憶えている恐怖映画は、『エクソシスト』(1973年)と『キャリー』(1976年)くらいでしょうか。
2本とも恐怖映画の名作中の名作ですが、特に『キャリー』のラストシーンは叫んでしまうほど怖かった……。
私にとって、その時の恐怖に匹敵するほど怖い映画となったのが今回の『グレタ』です。
と言っても、エクソシストのように首が360度回ったり、キャリーのように超能力で物を破壊するわけではありません。
ただ、その女性の存在自体が怖い……そんなサイコスリラー映画です。
ニューヨークの高級レストランで働くフランシスは、帰宅途中の地下鉄で座席に置き忘れられたバッグを見つける。
あいにく、駅の遺失物窓口は時間外で閉まっていた。
フランシスはバッグに入っていたカードに書かれた住所と名前を頼りに、持ち主に届けることにする。
バッグの持ち主は、壁の向こうの隣人の音が響くほど古い家に一人で暮らすグレタという未亡人だった。
孤独な彼女に同情したフランシスは、友人として付き合い始める。
ところが、グレタのフランシスに対するストーカーじみた行動が目立ち始め、それは徐々にエスカレートしていく……。
怖い、怖い……。
ただ、善意で落し物のバッグを届けただけなのに、つきまとわれ、その先に信じがたい衝撃の展開が!
あの古い家の正体も怖いですが、最も怖かったのはグレタが裸足で踊りながらある行動をとるシーン。
それからエンディングまで、私の両腕は鳥肌がたったままでした。
まさにイザベル・ユペールの演技、恐るべし……なのです。
さらに、グレタが奏でるフランツ・リストの「愛の夢」という名曲が、美しいからこそ恐怖を倍増させています。
監督:ニール・ジョーダン
出演:イザベル・ユペール クロエ・グレース・モレッツ マイカ・モンロー
2018年 アイルランド・アメリカ 98分 配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
http://greta.jp/
11月8日(金)から 大阪ステーションシティシネマ 神戸シネリーブルなどで公開