【とっておきシネマ】ロシア映画『私のちいさなお葬式』

サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
2019年もあと1か月ですね。
今年は自分にとってどんな年だったのか、この1年をちょっと振り返ってみよう……と思う時期でしょうか。

さて今週は、1年どころか自分の人生そのものを振り返ってみたくなる『私のちいさなお葬式』という作品をご紹介しました。

©OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

村にひとつしかない学校で教師をしていたエレーナは73歳。。
定年後は慎ましい年金暮らしを送っていたが、ある日病院で突然の余命宣告を受ける。
「息子は忙しすぎて、葬儀だのお通夜だの手配できないわ。私はただ、いいお葬式にしたいだけなの」
5年に1度しか顔を見せない多忙なひとり息子オレクに迷惑をかけまいと、エレーナはひとりぼっちで自分のお葬式の準備を開始する。

©OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

隣人や教え子の協力で、死亡診断書、埋葬許可証、墓地、真っ赤な棺……すべての段取りを整えたエレーナの“完璧なお葬式計画”。
ところが、隣人のリューダから知らせを受けた息子のオレクが帰って来たことから、その計画は想定外の事態へと転がり出す……。

©OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

「終活」「エンディングノート」などの言葉をよく目にし耳にする今日この頃ですが、なかなか難しい課題ですね。
主人公のエレーナは、隣人のリューダに「あんたは何でも一人で出来る人」と言われます。
これは褒め言葉ではなく、可愛くない……とリューダは思っているのです。
確かに、余命を聞いても冷静、自分より息子のことを先に考える、他人を頼らない……そんなエレーナに可愛げはありません。
でも彼女は、自分のお葬式を完璧に計画する抜群の行動力と、孤独を嘆かない諦観ともいうべき心を持つあっぱれなお母さんなのです。

©OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

テーマは深刻なのに、どこかユーモラスに描かれているロシア式の「終活」映画。
冒頭シーンで教え子が釣り上げた“鯉”と、日本のヒットソング「恋のバカンス」のロシア語カバー・バージョンが印象的です。

監督:ウラジミール・コット
出演:マリーナ・ネヨーロワ アリーサ・フレインドリフ エヴゲーニー・ミローノフ
2017年 ロシア 100分 配給:エスパース・サロウ
http://osoushiki.espace-sarou.com/
12月6日(金)からシネリーブル梅田で、12月27日(金)からシネ・リーブル神戸で公開されます。

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