【いとしのエンタメ】映画「彼女がその名を知らない鳥たち」

今週の「いとしのエンタメ」は映画「彼女がその名を知らない鳥たち」をご紹介しました。

©2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

働きもせず、不潔で下品な15歳年上の同居人・陣治の収入に頼って、怠惰な生活をおくる女・十和子。
彼女は、8年前に別れた黒崎という男のことがいまだに忘れられずにいる。
ある日、時計の修理でクレームを入れたデパートの売り場主任・水島と出会う。
どこか黒崎の面影がある水島は既婚者ではあったが、十和子は彼との情事に溺れていく。
ほどなくして、十和子の前に刑事が現れ、黒崎が5年前から失踪していることを知らされる。
黒崎がなぜ消えたのか・・・十和子は黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑いを持つ。
「十和子のためだったら、何でもできる」と言い続ける陣治が、水島の存在にも気づいたことから、水島にも危険が及ぶのではないかと十和子は怯えはじめる。

©2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

『共感度0%、不快度100%、でもこれは、まぎれもない愛の物語』とあります。
十和子も最低、水嶋も黒崎も最低、そして陣治も・・・共感度ゼロの最低な人間たち。
最後にあきらかになる“究極の愛”が、あなたに驚きと感動を与えるはず・・・。

©2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

原作は、沼田まほかるさんの同名のベストセラー小説です。
彼女の作品には、平凡な人間には想像できないような得体のしれない魅力があります。
ある文芸評論家がこの小説のことを、「“きれいは汚い、汚いはきれい”という価値の反転が鮮やか」と述べているとか。
確かに、言い得ています。それを見せつけてくれるのが、俳優陣の素晴らしい演技力です。
蒼井優さん演じる「嫌な女」、阿部サダヲさんの「下劣な男」、竹野内豊さん演じる「クズ男」、松坂桃李さんの「ゲス男」。
粒ぞろいの実力派のみなさんが発揮する、それぞれの「不快度」はリアル過ぎるほどです。
そんな不快度満点で見続けた後に訪れる、深い感動・・・。

一見の価値ありだと思います。是非、劇場へ!
(なお本作品は、R15+となっています。15歳未満のかたは鑑賞できません)

原作:沼田まほかる 「彼女がその名を知らない鳥たち」(幻冬舎文庫)
監督:白石和彌
脚本:浅野妙子
出演:蒼井優 阿部サダヲ 松坂桃李 竹野内豊 ほか
配給:クロックワークス

http://kanotori.com/

10月28日(土)から、梅田ブルク7 シネ・リーブル梅田 109シネマズHAT神戸 シネ・リーブル神戸 などで公開。
~サウンドブランチ 鳥飼美紀~

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