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【とっておきシネマ】フランス映画『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』

金曜の夜9時からおおくりしている、最新シネマ情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。

今週ご紹介したのは、水彩画のような美しい映像とハッピーな音楽で綴るアニメーション映画『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』。
2022年カンヌ国際映画祭に正式出品されたほか、アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞(最高賞)をはじめ数々の映画賞を受賞したフランスの作品です。

原作の『プチ・ニコラ』を、皆さんはご存じでしょうか?
フランスで50年以上愛され続け、世界30カ国で翻訳されている児童書で、日本でも世界文化社から全5巻シリーズで出版されています。
いたずら好きの小学生プチ・ニコラが主人公で、彼とクラスメートたちの愉快な毎日が描かれています。
映画は、そんな二コラの天真爛漫な日常生活に加え、『プチ・ニコラ』の誕生秘話と、原作者たちの喪失と創造の人生を交えて描かれています。
お洒落で優しい筆遣い、子供時代へのノスタルジーと創作の喜びに満ちた物語は、どちらかというと大人にお薦めのアニメだと思います。

© 2022 Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2

【STORY】
パリの街並みを望む小さなアトリエ。
イラストレーターのサンペと作家のゴシニは、いたずら好きの男の子のキャラクター、ニコラに命を吹き込んでいた。
大好きなママのおやつ、校庭での仲間達との喧嘩、先生お手上げの臨海学校の大騒ぎなど。
ニコラを描きながら、望んでも得られなかった幸せな子供時代を追体験していくサンペ。
また、ある悲劇を胸に秘めるゴシニは、物語に最高の楽しさを与えていった。
児童書「プチ・ニコラ」の心躍らせる世界を創造しながら、激動の人生を思う二人。
ニコラの存在は、そんな彼らの友情を永遠のものにしていく。

© 2022 Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2

【REVIEW】
『プチ・ニコラ』の原作者というのは、イラストレーターのジャン=ジャック・サンペと、小説家ルイ・ゴシニの親友同士。
彼らが生み出したキャラクターが“二コラ”という男の子で、1959年~1965年の間に二コラを主人公とした222の物語を創作し出版した。
その『プチ・ニコラ』を初めてアニメーション化したのが今回の『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』。
(実写版は2009年に映画化され日本でも公開された)
舞台は1950年年代~60年代のフランス・パリ。
今からミュージカルが始まるの?という雰囲気の軽快な音楽と共に物語は始まる。

© 2022 Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2

本作では、2つの世界が描かれる。
1つは、やんちゃな小学生二コラの天真爛漫な日常という空想の世界。
家庭、学校、友人関係、臨海学校でのしっちゃかめっちゃかな大騒ぎなど、心躍らせる愉快なエピソードが次から次へと……。
二コラたちが学校で事あるごとに豪快にワチャワチャするシーンが描かれるが、男の子ばかりの小学校なら、あるあるエピソードばかりなのだろう。
とにかく、絵が可愛い! 甘い可愛さではなく、品が良くてお洒落である。
背景となるパリの街や、二コラの家、学校などの絵は水彩画のように優しく美しい……まるで絵本をめくっているような、心和む世界観だ。

© 2022 Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2

もう1つは、原作者であるイラストレータのサンペと小説家のゴシニの人生を描いた現実の世界。
サンペは、家庭環境が複雑で、かなり辛い子供時代を過ごしてきた。
また、ユダヤ系のゴシニは親族がホロコーストの犠牲になっている。
サンペとゴシニ、彼らの少年時代は二コラのように天真爛漫に過ごせなかった。
だからこそ自分たちが味わえなかった幸せな少年時代を二コラに与えた。
その切なさが描かれているというのが、私が“大人にお薦めのアニメ”という理由である。

2つの世界を繋ぐのは、小さなニコラがサンペとゴシニの前にそれぞれ現われ、会話をするシーンである。
観ている私たちは、二コラによってやっと幸せな少年時代を取り戻したかのようなサンペとゴシニを、そこに感じることができる。
1977年、ルネ・ゴシエは51歳の若さでで亡くなる。
サンペは、この作品が昨年のアヌシー国際映画祭で最高賞を受賞したのを見届けたのち、89歳で亡くなった。

原作:ルネ・ゴシニ、ジャン=ジャック・サンペ
監督:アマンディーヌ・フルドン、バンジャマン・マスブル
脚本・セリフ・脚色:アンヌ・ゴシニ、ミシェル・フェスレー、バンジャマン・マスブル
グラフィック・クリエーター:ジャン=ジャック・サンペ
美術:フュルシィ・テシエ
アニメーション監督:ジュリエット・ローラン
音楽:ルドヴィック・ブールス
声の出演:アラン・シャバ (ルネ・ゴシニ)、ローラン・ラフィット(コメディ・フランセーズ所属)(ジャン=ジャック・サンペ) 、シモン・ファリュ(二コラ)
2022年/フランス/86分/配給:オープンセサミ、フルモテルモ
https://petit-nicolas.jp/
全国順次公開中 関西は6月16日(金)~京都シネマ シネ・リーブル梅田 シネ・リーブル神戸

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