みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。(再生ボタン▶を押すと番組が始まります)

さて、今日紹介する東北の話題は、福島県柳津町の福満虚空蔵菩薩圓蔵寺で1月7日に行われる「七日堂裸詣り」です。柳津町の福満虚空蔵菩薩を祀る圓蔵寺では毎年1月7日の夜を迎えると、赤々と揺れるかがり火の中で奇祭・「七日堂裸詣り」が行われます。大鐘の音が鳴り響くと、男たちが褌姿で「わっしょい、わっしょい」と大声でかけ声をかけながら本堂の菊光堂を目指して、百十三段の石段を駆け上がります。極寒の中、水で身を清めた男たちは続々と本堂に入って行きます。そして、本堂内にある長さ4.8mもある大鰐口と呼ばれる巨大な綱をよじ登ります。参加者は総勢約300人に対して綱が一本のみ。一本の綱に数人が捕まっているので渋滞が発生し、上の人が登れずに巻き添えで落下ということも。綱を登りきると一年間の無病息災、祈願成就、福を招くと言われています。

この男たちの勇壮な姿を一目見ようと、例年多くの観光客が訪れます。1000年以上続くこの祭りの起源は、かつて、この地は不作や疫病に長く悩まされていましたが虚空蔵尊のお告げを受けた弥生姫が、只見川の底に棲む龍神から如意宝珠(宝の玉)を借り受けることで、その不幸を打ち破ることができました。しかし、数年後の1月7日の夜に、龍神はその宝珠を取り返すため本堂に現れたのでした。そこで、信者たちは宝珠を渡すまいと、堂内で結束し必死に騒ぎ立て、龍神を追い返すことに成功します。この「七日堂裸詣り」は、その時の団結の尊さを今に伝えているものです。福満虚空蔵菩薩圓蔵寺は、およそ1200年前に徳一大師によって建立された寺です。その創建の際、赤い牛がやってきて大師を助けたという伝説が残っていて、それが会津地方の民芸品・「あかべこ」の由来とされています。圓蔵寺の境内には、「開運撫牛(かいうんなでうし)」の像もあり祭りだけではなく、お寺そのものにも見どころが満載です。


今回は、1月7日に福島県柳津町で行われる「七日堂裸詣り」を紹介しました。
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は山形県で語られていた民話「笠地蔵」をお送りします。お話に出てくる「丸ぬれ」は「ずぶぬれ」、「弥蔵屋形」は「弥蔵の家」、「ひえねぇ」は「かわいそう」、「たがぎこんで」は「持ってきて」という意味です。
