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【とっておきシネマ】アカデミー賞®の話題 3部門受賞「ノマドランド」ほか

毎週金曜日夜9時からおおくりしている最新シネマ情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。
今週は最新シネマのご案内をお休みして4月26日の月曜日(現地時間25日)に行われた、第93回アカデミー賞®の話題をおおくりしました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各映画賞の授賞式がバーチャル形式に切り替わっているようですが、アカデミー賞®は従来通りの形で行われました。
ただし、感染防止対策には神経を使い、密を回避するためハリウッドのドルビー・シアターとダウンタウンのユニオンステーションの2つの会場での授賞式となりました。
参加者は検査を行い、ワクチン接種、ディスタンスを取り、いつもより少ない人数、会場ではカメラが回っている時だけマスクを外すという万全の対策だったようですね。
例年よりシンプルに感じられましたが、それでも十分お洒落で華やかな授賞式でした。

おもな受賞結果は、『ノマドランド』が作品賞、監督賞(クロエ・ジャオ監督)、主演女優賞(フランシス・マクド―マンド)の3部門で受賞。

©2021 20th Century Studios. All rights reserved.

主演男優賞はアンソニー・ホプキンス(『ファーザー』、助演女優賞はユン・ヨジョン(『ミナリ』)、助演男優賞はダニエル・カルーヤ(『Judas and the Black Messiah(原題)』)。
国際映画賞は『アナザー・ラウンド』(デンマーク)、そして長編アニメ映画賞は『ソウルフルワールド』……などなど。

本命視されていた『ノマドランド』が作品賞、監督賞、主演女優賞の主要3部門を制したのは納得のいくところ。
原作は、ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド 漂流する高齢労働者たち」。
アメリカ西部の路上に暮らす車上生活者たちの姿を、大自然の美しさとともに描いたロードムービーです。
「ノマド」というのは遊牧民、つまり家を持たない放浪者という意味だそうです。

©2021 20th Century Studios. All rights reserved.

ネバダ州。企業の破たんと共に、長年住み慣れた住居も失った主人公ファーン。
キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、〈現代のノマド=遊牧民〉として、季節労働の現場を渡り歩く。
毎日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ね、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく──。

©2021 20th Century Studios. All rights reserved.

この作品は、第77回ベネチア国際映画祭で金獅子賞、第45回トロント国際映画祭で観客賞を受賞するなど、世界中で高い評価を得ています。
主人公のファーンを演じるのは、フランシス・マクド―マンド。
彼女は、『ファーゴ』(1996年)と『スリー・ビルボード』(2017年)で2回オスカーを手にし、この作品で3回目の主演女優賞受賞となりました。
そして、メガホンをとったのは中国出身のクロエ・ジャオ監督。
受賞スピーチで「人は生まれつき善良である」という詩の一部を紹介し、「この賞を、善意を持ち続ける信念と勇気を持つ人たちに捧げる」と語っています。
彼女はノンフィクションである原作にはなかったファーンという女性を主人公に据え、ノマドたちの生きていく姿を描きました。
しかも主人公を演じるマクドーマンド以外は、すべて本当のノマドの人々が演じたとか。
最近、こういうキャスティングが多いです。
リアル感を追及するため……と個人的にはそう思っていましたが、それだけではなく正直コストの問題もあるようですね。
そのようにジャオ監督自身がインタビューに答えていましたが、ドキュメンタリーとフィクションの境界線を超えた新しい表現ジャンルが珍しくなくなっているようです。

(『ノマドランド』は宝塚シネ・ピピアにて5月7日~上映します)
公式サイトhttps://searchlightpictures.jp/movie/nomadland.html

『ノマドランド』で監督賞を受賞したクロエ・ジャオ監督は中国出身、そして助演女優賞を韓国の女優ユン・ヨジョン(『ミナリ』)が受賞しました。
今回のアカデミー賞®では、このようにアジア系の女性ということがとても注目されましたが、まさに多様性を目指す途中であるということでしょう。
これからは、人種や性別がことさら注目されない・・・そんな受賞が当たり前になっていくと信じたいですね。
また、作品賞ノミネート8作品のうち3作品がネット配信されたものということに、私は少し驚きました。
パンデミックのため映画館で観賞された作品が少なかった影響でしょうが、これからの映画の公開方法に変化をもたらすかもしれないですね。
驚きといえば、今に始まったことではありませんが、受賞者のスピーチの長さに毎回驚かされます。
受賞の喜びはもちろん、個人的なエピソード、社会的なことなど、心から溢れ出るがままに様々な思いを口にします。
会場に集う人たちもその言葉に聞き入り惜しみない拍手と称賛を贈ることが、いつも素晴らしいと思います。

==
番組では、緊急事態宣言が解除され、映画館の営業が再開されるまでの間は新作の話題はお休みして、違う形で映画の話題をおおくりしていく予定です。どうぞご了承ください。
作品賞にもノミネートされ、主演男優賞を受賞した『ファーザー』は5月のこの番組で紹介予定。
同じくノミネート作品『プロミシング・ヤング・ウーマン』も7月公開予定で、これも紹介できればいいな~と思っています。
どちらにしても、緊急事態宣言が解除されていれば~ということになりますね。
いつもの生活を取り戻すため、自分にできることをしっかりと認識し、感染拡大を防ぐ努力を続けたいものです。

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