今週は、ジョディ・フォスター主演の心理サスペンス『プライベート・ケース』をご紹介します。全編フランス語で演じるジョディは、歳を重ねてますますカッコイイ……と同時に、元夫役のダニエル・オートゥイユとのシーンではクスっと笑えるチャーミングな演技も披露しています。

©LES FILMS VELVET -BUENOS HAIR -FRANCE 3 CINEMA
シネマエッセイ
私はアラフォーで運転免許を取得した。運動神経皆無、二つのことを同時にできない、時々妄想世界に入り込むので現実が見えていないことがある……そんな自分がハンドルを握るときっと事故が起きるに違いない。若い頃からそう思って車の運転は諦めていたのだが、三田に住むようになって車は必需品と思い知り、遅ればせの免許取得にチャレンジしたのだった。さて、若葉マークを付けてすぐの頃、仲間たちとの飲み会に夫とふたりで大阪市内まで車で出かけた。行きは夫が運転し、帰りはお酒を飲めない私が運転するという段取り。免許を取って初めて高速道路を運転する緊張は半端なかったが、ひとりではない。助手席には、お酒は飲んではいるが夫が座ってくれている。あれこれ指示くらいはしてくれるはず。ところが、その日は夜になってから土砂降りの雨になった。ワイパーをグルグル回しながら阪神高速をおっかなびっくりで、夜の雨に道路照明等の少ない中国道を「見えなーい!真っ暗!」と叫びながらひた走る。横に座っている夫は指示どころか、呂律がまわらないほどのご機嫌状態。本音を言うと、生きた心地がしなかった。しかし、雨が降ろうが槍が降ろうが飲酒をしている夫に運転させるわけにはいかないのだと自分で自分を叱咤激励し、何とか自宅までたどり着いた時には心底ホッとしたものだ。ところで、飲酒運転は駄目というルールは世界ではどうなのだろう? 外国映画を観ていると、お酒を飲んだ登場人物が車を運転して移動するシーンが時々ある。
ジョディ・フォスター主演のフランス映画『プライベート・ケース』では、ジョディ扮する精神分析医と眼科医の元夫が、ワインを飲んだ後に車を運転するシーンが何度かある。ほかの映画でも時々そんなシーンを見かけて「え?」と思ったことがあるが、国によって飲酒運転の基準は違うらしい。フランスは日本より基準が緩く、軽くワインを1、2杯飲んだくらいなら大丈夫のようなのだ。さすがワインの国と納得。そうとわかればこれから安心して観られる。ストーリーは、主人公のリリアンと元夫が久しぶりに再会し、リリアンの患者の死について探り始めるというサスペンスなのだが、ちょっとコミカルな元夫婦のバディものという楽しみ方もできる。白髪も垣間見えるジョディは、やはり知的な精神分析医という役がハマっているし、ダニエル・オートゥイユの大人可愛い元夫ぶりも魅力的。

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パリで暮らす精神分析医のリリアンは、長年診てきた患者ポーラの死の知らせを受ける。診察でも死を予感させるような兆候はなかっただけに、突然の出来事に違和感を覚えたリリアンは、ポーラが何者かに殺されたのではないかと疑い始める。遺族の様子から疑惑を確信したリリアンは、再会した元夫を相棒に独自の捜査に乗り出すが──。

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監督:レベッカ・ズロトヴスキ
出演:ジョディ・フォスター ダニエル・オートゥイユ ヴィルジニー・エフィラ マチュー・アマルリック ルアナ・バイラミ
2025年/フランス/107分/配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
https://cinema.starcat.co.jp/private-case/
7月24日(金)公開
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