みなさま、おばんです。山形県出身の内藤美保がお送りする「こばえちゃ東北」。この番組では、東北各地の行きたい、食べたい、知りたいをお届けしています。「こばえちゃ」は山形県庄内地方の方言で「おいでください」という意味です(再生ボタン▶を押すと番組が始まります)
今回は、7月最終週の配信ということで青森県弘前市の「弘前ねぷた」の紹介と東北弁で語る民話をお送りします。

はじめに青森県津軽地方の中心都市、弘前市の紹介です。弘前市は青森県の南西部に位置し、岩木山や世界自然遺産・白神山地に囲まれた自然豊かなまちです。江戸時代には津軽藩十万石の城下町として栄え、現在でも歴史ある町並みや武家屋敷、寺院などが数多く残っています。また、弘前城がある弘前公園は、日本有数の桜の名所として全国に知られ、春には多くの観光客が訪れます。



弘前市には、弘前城の別名「鷹岡城」にちなんだ鷹をモチーフにした「たか丸くん」というマスコットキャラクターがいます。平成21年に弘前城築城400年祭で誕生したゆるキャラで津軽藩初代藩主・津軽為信公の兜と、弘前城の天守を頭にかぶった愛らしい姿が特徴です。好きな食べ物は弘前名物の「アップルパイ」と「いがめんち」とのことです。「いがめんち」はイカの下足を細かく刻んで、野菜を混ぜて油で焼いたり揚げたりした郷土料理です。

弘前市の人口は、およそ16万人で、青森県内では青森市、八戸市に次ぐ規模を持ち、津軽地方の政治・経済・文化・教育の中心都市として発展しています。産業の中心は、なんといっても農業です。弘前市は世界でも有数のりんごの産地として知られ、日本一のりんご生産量を誇る青森県の中でも特に盛んな地域です。りんごジュースやシードル、アップルパイなど、りんごを使った加工品も数多く作られています。さらに、お米や野菜、ぶどう、桃などの果樹栽培も盛んで、豊かな自然の恵みが地域の産業を支えています。また、江戸時代から続く津軽塗の伝統漆器や津軽打刃物などの伝統工芸も重要な産業となっています。

そんな弘前市を代表する夏の風物詩が、「弘前ねぷたまつり」です。弘前ねぷたは、毎年8月1日から7日まで開催される伝統的な祭りで、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。その歴史は300年以上といわれ、江戸時代中期にはすでに祭りが行われていた記録が残されています。

青森ねぶたと大きく異なるのは、青森は人形型のねぶたで、弘前のねぷたはほとんどが扇形の扇ねぷたというところです。高さおよそ9mにもなる巨大な扇形のねぷたには、勇ましい武者絵が描かれています。そして裏側には、美しい女性や風景など哀愁漂う「見送り絵」が描かれているのも特徴です。

昼間に見る色鮮やかな武者絵も見事ですが、夜になると内部の明かりが灯り、和紙越しに浮かび上がる武者絵は幻想的な美しさを見せてくれます。祭りでは「ヤーヤドー」という威勢のよい掛け声が響き渡り、笛や太鼓のねぷた囃子に合わせて大小さまざまなねぷたが市内を練り歩きます。

大型ねぷたが電線や建物を巧みにかわしながら進む姿は圧巻で、その迫力に観客から大きな歓声が上がります。また、小さな子どもたちが持って歩く金魚ねぷたも人気で、弘前ならではの温かく親しみやすい雰囲気を感じることができます。そして祭りを締めくくるのが、最終日に行われる「なぬかびおくり」です。岩木川でねぷたを炎で清めて送る夏の終わりを惜しみながら来年の再会を願う伝統行事で、幻想的な雰囲気の中、弘前の短い夏が幕を閉じます。
弘前ねぷたは、青森ねぶたや五所川原立佞武多とはまた違った魅力があります。勇壮さの中にも城下町らしい気品と伝統が息づき、武者絵の力強さと見送り絵の美しさが見事に調和しています。今年の夏は、ぜひ青森県弘前市を訪れ、りんごのまちならではの美味しい食べ物とともに、300年以上受け継がれてきた弘前ねぷたの迫力と美しさを体感してみてはいかがでしょうか。
今回は青森県弘前市の弘前ねぷたを紹介しました。
では、7月最終週の今日は、ここから東北弁で語る民話をお送りします。今回は青森県で語られていた「洗わずのふんどし」です。お話に出てくる「雨ぁふね」は「雨はふらない」、「わの頭」は「自分の頭」という意味です。
次回の「こばえちゃ東北」は福島県の「郡山うねめまつり」を紹介します。どうぞお楽しみに、したばの~
