サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
新作映画がどんどん公開延期になっています。
しばらくの間、新作映画は新型コロナウィルス収束後のお楽しみとして、今週からは自宅で楽しめる過去の公開作品をご案内。
ブランチがセレクトした“小説が原作となっている映画”を、毎週ご案内していきたいと思います。
ストーリーに興味を持ったら、お家で原作を読むか、ネットのサブスクなどで映画を見るか……さぁ、どちらにしますか?
まずは、浅田次郎の直木賞作品『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年)をご案内しましょう。
2000年、第23回日本アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優・女優賞、助演男優賞などを受賞した感動作です。
原作は1995年『小説すばる』11月号に掲載された短編小説で、1997年に集英社から短編集「鉄道員」として刊行されました。
彼は、17年前に生まれたばかりの一人娘を病気で失い、また3年前に妻にも先立たれ孤独な生活を送っている。
鉄道員(ぽっぽや)一筋に生きてきた乙松が定年退職の年を迎え、同時に彼の勤務する路線も廃止の時を迎えようとしていた。
そんな雪の正月、ホームの雪かきをする彼の前にひとりの少女が現れ人形を置き忘れて帰る……。
監督:降旗康男
出演:高倉健 大竹しのぶ 広末涼子 小林稔侍 奈良岡朋子 田中好子 安藤政信 志村けん 吉岡秀隆 ほか
鉄道に人生を捧げた男の人生がテーマのようで、実は優しい奇跡の物語なのでした。
物語の結末は、私のように“切ないハッピーエンド”と感じる方もいるのではないでしょうか。
そして、健さんやしのぶさんはじめ、名優ぞろいの俳優陣の演技がとても素晴らしい!
先日亡くなられた志村けんさんも登場場面はほんの少しでしたが、後に繋がる大切な役でした。
親友役の小林稔侍さんの演技には暖かさが溢れ、広末涼子さんの明るい演技に何故か涙します。
そうそう、冒頭シーンで「テネシーワルツ」がハミングされますが、これは原作にはあるのでしょうか?
粋な演出に、ぜひとも原作を読んでみたいと思いました。
まだ観ていない方、読んでいない方、興味が沸いた方はどうぞお家でゆっくり味わってください。