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【とっておきシネマ】日本映画『夏の光、夏の音』

毎週金曜日夜9時からおおくりしている、最新シネマ情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。
今週の日曜日、宝塚のシネピピアで観た『夏の光、夏の音』という映画がとても良かったので、番組の冒頭でご紹介しました。
公開は5月末からでしたが、アンコール上映が明日9月4日(土)から、大阪のシアターセブンで始まりますよ。
目の見えない女性と耳の聞こえない男性のロマンス。
そのロマンスを通して、障害者の思いや日常生活など色々なことに気づかせてくれる作品です。

(C)2021 垂水映画劇団 All Rights Reserved.

【STORY】
喫茶店で働く全盲の女性・麻衣。
ある日やって来た無愛想な客、健太郎という若者。
彼は耳が聞こえない。
「見えない」と「聞こえない」、二人の世界は決して交ざり合うことなどないと思った麻衣。
だが、 あることがきっかけで少しずつその距離が縮まっていく。
喫茶店の店長や常連客に見守られながら 「できないこと」による隔たりを越えていく、二人のひと夏の物語。

(C)2021 垂水映画劇団 All Rights Reserved.

【REVIEW】
二人の距離が少しずつ、少しずつ近づいて、ある時からぐんぐん接近していく、そのリズムがとてもリアルだ。
自分の若い頃の恋愛と重なるところがある……いや、そのもの!
目が見えなくても、耳が聴こえなくても、人を想うときめきや不安や喜びは同じ。
むしろどんなに時間がかかっても、わかり合うことの大切さ……そんなことに今さらながら気がつく。
大きな事件があったり、意地悪な邪魔が入ったりはしない。
いつの間にか私たち観客も喫茶店の常連客のようになって、二人の恋のゆくえを見守っている。
そして、目の見えない麻衣と耳の聴こえない健太郎の、意外な場所での初デートには少し驚く。
じっくり時間をかけて描かれるそのデートは、二人だけではなく私の心にも素敵な思い出を残してくれた。
完璧なハッピーエンドではない、少し切なさの残るラストだが、それでも二人の未来に希望を抱く。

(C)2021 垂水映画劇団 All Rights Reserved.

監督は、障害者の日常を主なテーマに映像制作をしている八十川勝監督。
兵庫、そして三田にもゆかりのある監督は、神戸・明石・三田などの美しい夏の風景を背景に撮影している。
健太郎役のKAZUKIさんは、自身も聴覚障害者で手話歌パフォーマーとして全国で活躍中。
撮影の合間には、出演者がKAZUKIさんと簡単な手話で会話することもあったと、舞台挨拶で聞いた。
その舞台挨拶で、「夏の光、夏の音」という手話を私たち観客も教えてもらった! 忘れない!

原作・脚本・撮影・監督:八十川勝
出演:北原夕 KAZUKI  星川恵美 ほか
2019年 日本 110分
http://natsunohikari.tarumimovie.com
9月4日(土)~9月10日(金)シアターセブン(アンコール上映)  10月3日(日)~10月11日(月)洲本オリオン

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