こんにちは。ハニー・サウンド・マルシェ水曜日担当 ふじたのぞみ です。
3月8日【おいしい絵本】では、おすすめの児童書とお話に因んだレシピをご紹介しました。
☆「つるばら村のパン屋さん」(茂市久美子/作、中村悦子/絵、講談社)
いつか駅前にお店を構えることを夢見る主人公のくるみさんが、宅配専門のパン屋さん「三日月屋」をつるばら村に開くところからお話が始まる、シリーズ一作目。おばあさんの家だった藁ぶき屋根の農家の台所でパンを焼いてお届けするのですが、夢に胸を膨らませるくるみさんと緑豊かな田園や山里の様子が目の前に広がるような気がして、清々しい物語の始まりです。
ところが、ひと月も経つと注文が減ってしまい淋しいものに…村のあちこちにつるばらが咲き始めた頃、くるみさんがふとつぶやいたことで不思議で温かいお話が動き始めます。
「だれでもいいから、パンの注文に来てほしいな」
そんな言葉をたまたま通りかかったそよ風が山の方へと運び、その声を受け取って 古い蓄音機と壺に入ったたんぽぽのはちみつと共に注文にやって来たのは、なんと「くま」。パンをこねる時、寝かせる時、焼く時に音楽を聴かせるという手紙の指示通りにパンを作ってみると、何とも良い香りのはちみつのパンが焼き上がるのでした。はちみつのパンの香りに誘われ、村の人たちからの注文も次々と舞い込むことになります。
春のそよ風がくまを誘い、驚きながらもくるみさんは一生懸命においしいパンを作る。その他の章でも、そんな生き物や自然とのパンを通した交流が描かれていきます。人間の姿に化けてお茶会をするキツネ、ホテルを営むうさぎ、冬に星を磨く北風、ねこに妖精…お話しひとつひとつが温かく、ひとつ読み終えるごとに自然と頬が緩んでいるのを感じます。
わたしが好きなのは「三日月パン」のお話。うさぎのホテルに宿泊すると、心をきれいさっぱり洗ってくれるのだそうです。お子さんと一緒にお気に入りのお話を見付けてくださいね♪
☆ばらのジャム
お話のひとつに、妖精がくるみさんの台所を借りて花のジャムを入れた小さなパンを作るというものがあります。村に咲くつるばらなどの花々のジャムを使ったパンはどんな甘い香りがするのだろう…ということで、今回はばらの花からジャムを作るレシピをご紹介しました。
お話のようにパンに添えたり、紅茶に合わせたり、様々に楽しんでくださいね♪
(材 料)香りのよい咲きたてのバラの花びら 150g、砂糖 100g、レモン汁 1個分、水 200cc
(作り方)➀ガクの部分を切り落とした花びらを水を張ったボウルでさっと洗い、水気をペーパーで取る
➁別のボウルに花びら・レモン汁を入れ、数分間しっかりと揉み込んで絞り、花びらと水分に分けておく
➂お鍋に花びら・砂糖・水を入れ、弱火~中火で20分ほど煮て、粗熱が取れたら➁で絞った水分を加える
➃1時間ほど寝かせたら再び火にかけて煮詰めて出来上がり