兵庫陶芸美術館では、2025年5月25日(日)まで 開館20周年記念特別展「東山焼と姫路のやきもの」を開催しています。
東山焼は、文政5年(1822)に姫路城の南東に位置する、播磨国飾東郡東山村(現・兵庫県姫路市東山)の興禅寺山東麓で操業を始めました。
当時の高級ブランド品であった京焼の最新の意匠と、一大生産地の肥前有田から窯業技術を取り入れ、青磁や染付を中心に磁器から陶器まで多岐にわたって焼造しました。興禅寺山窯では青磁と染付を中心に、そして男山窯では染付が主に焼かれ、特に古染付写しや祥瑞写しなどの染付に優品が多く見られます。
幕末には姫路城下の豪商六人衆に経営が引き継がれ、明治4年(1871)の廃藩置県を契機に規模の縮小はみられるものの、明治時代にも作り続けられました。
永世舎は、明治10年(1877)に士族授産の目的で大蔵前町(現・塩町及び十二所前町)に設立されました。肥前大川内の陶工・柴田善平(生年不詳〜1902)の指導を仰ぎ、旧姫路藩士に加えて東山焼の陶工、画師なども作陶に携わりました。主に輸出用の色絵製品が作られ、同21年(1888)頃まで操業されました。また、永世舎の陶工・中川勇次郎(1849〜1922)は、明治14年(1881)に自宅の小姓町で、精緻な竹べら細工が特徴的な陶器を中心とする鷺脚焼を始めました。
本展では、近世後期から近代に花開いた、東山焼・永世舎・鷺脚焼などの姫路のやきものを紹介します。

東山 《染付騎馬人物鹿図鷺耳花瓶》江戸時代後期〜明治時代前期(19世紀)兵庫陶芸美術館(北後豐子氏寄贈)

東山 《青磁獅子形水滴》 江戸時代後期〜明治時代前期(19世紀) 姫路市書写の里・美術工芸館
~永世舎と『温知図録』に注目~
華やかな色絵や鮮やかな青釉が特徴的な永世舎の作品は、明治時代前期に欧米諸国や国内で開催された万国博覧会や内国勧業博覧会に向けて、明治政府が作成した図案集『温知図録』に掲載されている形や図様などを模したものが数多くみられます。明治新政府が陶磁器を殖産興業のひとつとして捉え、振興を図った当時の記録とあわせてご紹介します。

永世舎《色絵雲龍図耳付扁壺(対)》 明治時代前期(19世紀後半) 個人蔵
~姫路名産と称えられた鷺脚焼~
永世舎の陶工であった中川勇次郎が創業した鷺脚焼は、各地の博覧会で数多くの賞を受賞し、土味が残る急須や碗、香合などが知られています。東山焼や永世舎とは趣の異なる鷺脚焼の魅力をご紹介します。

鷺脚(初代)《貼花芧屋山水図煎茶器(7点組)》明治時代~大正時代(19世紀後半~20世紀前半) 姫路市書写の里・美術工芸館
【開催概要】
展覧会名:東山焼と姫路のやきもの
会 期 :2025年3月15日(土)~5月25日(日)
休 館 日 :月曜日
※ただし、5月5日(月・祝)は開館し、5月7日(水)は休館。
開館時間: 10時~17時 ※入館は閉館の30分まで
出品点数: 約170件
観 覧 料 : 一般 1,200円、大学生 900円、高校生以下無料
※70歳以上の方は半額 ※障害のある方は75%割引、その介助者1名は無料
会 場 : 兵庫陶芸美術館 展示室1・2・4・5 [丹波篠山市今田町上立杭4]
公式HP : 兵庫陶芸美術館 公式HP
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応募締切:2025年4月20日(日)12時
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