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【鳥飼美紀のとっておきシネマ】イギリス映画『ハムネット』

今週は、数々の傑作を世に残し、時代を超えて世界中から愛されているイギリスの偉大なる劇作家ウィリアム・シェイクスピアとその妻の物語『ハムネット』をご紹介します。シェイクスピアとはどんな息子であり、夫であり、父親であったのかを妻の視点から描いた作品で、主演のジェシー・バックリーはこの作品で今年のアカデミー賞®主演女優賞を受賞しました。

©2025 FOCUS FEATURES LLC.

 シネマエッセイ 
結婚して私は「鳥飼」という名字になった。旧姓のちょうど2倍の歳月をこの名字で生きてきたが、その名の由来については詳しくは知らない。たしか、生前の義父が「先祖は鷹匠だったんだよ」と言っていたような……。アニマル・ラボ(中央動物専門学校)というサイトには、「鷹匠とは、訓練された鷹を自らの手で操り、狩りや駆除、あるいは観光イベントなどに活用する技能者のこと。(中略)古くから続く伝統を守る一方で、害鳥駆除や自然保護活動にも携わっているのが特徴。世界中で似たような職種があるが、日本の鷹匠は特に伝統色が強く、文化的な価値も高いとされている」とある。思い浮かべるのは観光地や動物園などでの「鷹のショーイベント」。腕に巻いたごついカバーの上に、向こうから飛んできた鷹を止まらせる体験は観ているだけでも迫力満点で、鷹の大きさと精悍な顔つきに圧倒される。もし夫の先祖が鷹匠だったなら、ちょんまげに袴姿で、大きな羽根を広げた鷹を繰っているシーンを想像し、「カッコいい~」なんて思う。しかし、「鷹飼」ではなく「鳥飼」なので、おそらく実際はニワトリなどを飼って毎朝卵を回収していたのかな……と、私の想像は一気に庶民的になってしまうのだ。

さて、映画『ハムネット』でウィリアム・シェイクスピアの妻となるアグネスは、鷹を操り、薬草に詳しく、自然界との繋がりが神秘的なまでに深く、奔放で型破り、そんな野生的な女性である。彼女が鷹を繰る姿を学校の教室の窓から見かけたウィリアムは、一目惚れで恋に落ちてしまうのだ。だが、情熱的に結ばれたふたりの家庭に、やがて大きな悲劇が起きる。妻は感情を爆発させ、夫はその悲しみを戯曲に注ぎ込む。原作者のマギー・オファーレルは史実を再解釈し、シェイクスピアが悲しみの果てに生み出したであろうものを教えてくれる。ラスト、グローブ座での戯曲『ハムレット』上演を見つめる妻アグネスの心の変化は、必見!

©2025 FOCUS FEATURES LLC.

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 ストーリー 
1580年イギリスの小さな村。貧しいラテン語教師ウィリアム・シェイクスピアは、森を愛する自由奔放なアグネスと出会う。2人は互いに惹かれ合い、情熱的な恋愛の末に結婚して3人の子供を授かるが、ウィリアムが遠く離れたロンドンで演劇のキャリアを模索する一方、アグネスは独りで子どもたちを守り家庭を支えていた。そんななか一家に大きな不幸が訪れ、かつて揺るぎなかった夫婦の絆が試されることになる――。

©2025 FOCUS FEATURES LLC.

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監督・共同脚本:クロエ・ジャオ
原作・共同脚本:マギー・オファーレル(『ハムネット』小竹由美子訳 新潮社刊
出演:ジェシー・バックリー ポール・メスカル エミリー・ワトソン ジョー・アルウィン
2025年/イギリス/126分/配給:パルコ ユニバーサル映画
https://hamnet-movie.jp/
4月10日(金)全国公開

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