金曜の夜9時からおおくりしている最新シネマ情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。
この秋から冬にかけて面白い映画がたくさん公開されているので、毎週大盤振る舞い!
ということで今週も、イタリア映画『泣いたり笑ったり』とアメリカ映画『Never Goin’ Back ネバー・ゴーイン・バック』の2作品をご紹介しました。
共通しているのは〈ドタバタ〉かな~?
せわしない年末、どうぞ肩の力を抜いて楽しんでいただきたいと思います。
まずは、イタリア映画『泣いたり笑ったり』から。
この作品は、日本でも人気のあるイタリアのロックバンド「マネスキン」をはじめとするヒットソングで彩られているので、使用曲を番組のBGMとしておおくりしました。
【STORY】
バカンスを過ごすため南イタリアの港町ガエータの別荘に集ったのは、快楽的に人生を享受する裕福なトニの一家と、代々漁師という労働者階級のカルロの家族たち。
価値観や家族観もまるで対照的な2つの家族を待ち受けていたのは、両家の父親トニとカルロの再婚の知らせだった。
双方の家族は大混乱! 元恋人や娘、息子たち、果ては両家の孫まで巻き込んで、バカンスは予測不能な大騒動に。
果たして両家の諍い、トニとカルロの恋の行方は――。
【REVIEW】
パパ・トニとパパ・カルロの結婚についてのドタバタ劇である。
ふたりは真剣に純粋に愛し合って結婚を決めたが、それぞれの家族はえらく混乱してしまう。
いくら多様性の時代と言っても、そう簡単に受け入れられない。
価値観や家族観もまるで対照的な2つの家族。
セレブなトニはあっけらかんと家族にカルロとの結婚を伝える。
進歩的で、快楽的に人生を享受する裕福なトニの家族たちは、驚きもそこそこに事実を受け入れる……娘のペレロペ以外は。
一方、なかなかトニとの結婚を家族に言い出せないのがカルロ。
漁師として代々生きてきた保守的なカルロの家族には、その告白は青天の霹靂以上の衝撃なのだった。
特に、トニの娘ペネロペとカルロの息子サンドロはパパ同士の結婚に戸惑いを隠せない。
ペネロペは父親トニとの間に確執を抱えていて、サンドロは敬愛する父カルロの結婚を頭では理解しようとするが、心がついて行かない。
そんなペネロペとサンドロの2人が共謀して、この結婚を阻止しようとあれこれ図るが……。
カルロを演じた俳優アレッサンドロ・ガスマンが、まるで古代ギリシャの彫刻のような風貌で野性的かつセクシーなのに優しい役を好演し、印象に残る。
今年をハッピーに締めくくる、笑って泣けるハートウォーミングな家族の物語である。
監督:シモーネ・ゴーダノ
出演:アレッサンドロ・ガスマン、ジャスミン・トリンカ、ファブリツィオ・ベンティヴォッリオ、フィリッポ・シッキターノ
2019年/イタリア/イタリア語・フランス語/100分/2.35 : 1/5.1ch 配給:ミモザフィルムズ
https://mimosafilms.com/naitari/
12/2(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、シネマート新宿、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
関西では、12/16(金)より シネ・リーブル梅田、アップリンク京都、12/23(金)よりシネ・リーブル神戸で公開