そしてもう1つの作品は、褒められることは何一つしない2人の女の子のドタバタ青春物語。
言語道断な行いもあるのですが、でも何だか憎めない、笑ってしまう……という、ガールズドタバタムービーです。
【STORY】
テキサスの夏。
アンジェラとジェシーは親友同士。
2人は高校を中退し、ダイナーでウェイトレスのバイトをしながら、ジェシーの兄とその友人とシェアした家で同居している。
ある日、アンジェラがジェシーの誕生日を記念し、憧れのリゾートビーチへのバケーションをプレゼントしたことから物語がはじまる。
支払うべき家賃を先に旅行費用に廻したため、その穴埋めを稼ぐべく2人はアルバイトのシフトをガンガン入れる。
そんな矢先、自宅に強盗が入り、やってきた警察が部屋にあるドラッグを発見し、2人は逮捕されてしまう。
アンジェラとジェシーは、はたして憧れのリゾートビーチへ行けるのか。
カオスな数日間が幕をあける……。
【REVIEW】
もう最後はしっちゃかめっちゃかになるけれど、なぜか笑える青春物語。
オーガスティン・フリッゼル監督のほぼ自伝的映画だという。
15歳で両親に捨てられたも同然、毎月の家賃を収める当てもなく、友人と共に困難な暮らしをしてきたフリッゼル監督の過去から着想を得た物語。
アンジェラとジェシーは、治安の悪い環境で違法行為を繰り返し、下品な言葉も使うが、その責任を社会に問うシリアスな描き方ではなく、ゆるく明るいコメディタッチが貫かれているのが面白い。
彼女たちには、自分たちの周り2メートルほどの景色しか目に入っていないように(大人の私から見ると)思える。
高校中退してどうする? 将来はどうする? 家賃を旅行費用に充ててどうする?……と、親戚のおばさんみたいに心配になる。
とはいえ、あっけらかんとした2人の行動をこれでもかというほど見せつけられて、いつの間にか笑いが込み上げてくるのだ。
様々な出来事を乗り越えて2人は逞しい大人になりそうではあるが、さてどうだろう?
監督:オーガスティン・フリッゼル
出演:マイア・ミッチェル カミラ・モローネ カイル・ムーニー ジョエル・アレン
2018年/アメリカ/英語/86分/PG12 配給:REGENTS
https://nevergoinback.jp/
12/16(金)より 大阪ステーションシティシネマ 109シネマズHAT神戸 TOHOシネマズ西宮OSなどで公開