今回は、3月7日(金)に公開されるミュージカル映画『ウィキッド ふたりの魔女』です。
先日、東宝東和さんの試写会にお招きいただき、ひと足先に観てきました。関西ではちょうど劇団四季のミュージカル『ウィキッド』が、この夏まで上演中ですね。四季版『ウィキッド』ファンの皆さん、とてつもないスケール感の映画です。舞台とはまた違った感動を与えてくれますよ。そして、まだ『ウィキッド』を知らない皆さん、ぜひ劇場スクリーンでダイナミックな映像とパワフルな歌声の魔法に浸って下さいね。イオンシネマ三田ウッディタウンでも上映されますよ。「とっておきシネマ」では、この『ウィキッド ふたりの魔女』を2回に分けてたっぷりご紹介します。今日はその第1弾です。第2弾は公開直前のタイミングで、再び熱く語らせてください!
~シネマエッセイ~
魔女になってみたいと最初に思ったのは、アメリカ発のテレビドラマ『奥さまは魔女』を見ていた頃だ。普通のビジネスマンと結婚した魔女のサマンサが、ごく普通の家庭生活をしている中で起こるエピソードがあれこれ描かれる。美しく理知的でとても魔女とは思えないサマンサが、時々鼻をピクピクさせて魔法を使い問題を解決するストーリーに、当時中学生だった私は夢中になった。吹き抜けの広いリビングルーム、ダイニングとキッチンもそれぞれ別々にあり、大きな冷蔵庫には食材がたっぷり、そして裏庭のテラスにはお茶用のテーブルセット……目を閉じると、いや目を開けたままでもはっきりと憶えているサマンサの家。そんな素敵な家に住み、ちょっと抜けている優しい夫と天使のように可愛い娘と暮らし、困ったときに魔法をチョチョイッと使えたら、何と幸せだろうか。そんな風にお気楽に魔女っていいな~」と思っていたあの頃……長い間、私の憧れの魔女とは、サマンサだった。
さて、ミュージカル『ウィキッド』に出てくる魔女エルファバには、サマンサの欠片もない。美しく理知的なサマンサと違って、緑色の肌で激情型のエルファバはオズの国では“悪い魔女”とされ、追われる身となってしまうのだ。理由は、権力者オズ陛下に忖度をせず正義を貫こうとしたから……。かつてサマンサに憧れた私は、この『ウィキッド』の物語を知ってからは、自分の意見をしっかり持って自由に生きる“悪い魔女”エルファバにもシンパシーを感じている。私の心にはサマンサとエルファバという2人の魔女が混在して棲み始めたのだ。ところが先日、映画『ウィキッド ふたりの魔女』を観た私は、“善い魔女”グリンダの愛情深い性格や思いやりの心にも気づいてしまった。となると、現在の私の心はサマンサ、エルファバ、グリンダという3人の魔女がギュウギュウ詰めになっている状態なのか?
魔法と幻想の国オズにある<シズ大学>で出会ったふたり― 誰よりも優しく聡明でありながら家族や周囲から疎まれ孤独なエルファバと、誰よりも愛され特別であることを望むみんなの人気者グリンダは、大学の寮で偶然ルームメイトに。見た目も性格も、そして魔法の才能もまるで異なるふたりは反発し合うが、互いの本当の姿を知っていくにつれかけがえのない友情を築いていく。ある日、誰もが憧れる偉大なオズの魔法使いに特別な力を見出されたエルファバは、グリンダとともに彼が司るエメラルドシティへ旅立ち、そこでオズに隠され続けていた“ある秘密”を知る。それは、世界を、そしてふたりの運命を永遠に変えてしまうものだった…。
監督::ジョン・M・チュウ
出演::シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョナサン・ベイリー、イーサン・スレイター、ボーウェン・ヤン、ピーター・ディンクレイジwithミシェル・ヨーandジェフ・ゴールドブラム
2024年製作/161分/G/アメリカ/配給:東宝東和
3月7日(金)より、全国ロードショー!
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