みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。
この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
今日紹介する東北の話題は、3月2日 日曜日に福島県伊達市で行われる「つつこ引き祭り」です。
「つつこ」というのは、藁で作った筒状の入れ物のことで、祭りでは大俵のことです。
毎年、3月の第一日曜日に行われ、商売繁盛、五穀豊穣、無病息災を祈る祭りとして、市の無形民族文化財に指定されているそうです。
この祭りの由来は、江戸時代中期、享保年間に大飢饉があり、当時の領主、松平出雲守通春公が、厳島神社の境内に領民を集め、
種もみを分け与えたところ翌年は大豊作となり、領主の善政に感謝して神前に初穂を捧げ豊作を祝いました。
それ以来、五穀豊穣を祈る神事として行われるようになりました。
そしてある年、神事を中止したところ、悪病が流行したため、その後再び、無病息災を祈る神事として盛んになったと言われています。
祭りのつつこは、前日におよそ八百束の藁を使って一日がかりで作られます。
まつり当日、寒風の中ふんどし姿の若衆が、直径およそ1.5m、長さ1.8m、重さ、およそ800キロのつつこをかついで町を練り歩きます。
つつこの中にはふかしたもち米が入っていて、上町、下町、仲内町の三つの町に分かれ三方向に激しくつつこを引き合ううちに、おふかしが餅になります。
祭りの最後には、神社の境内でつつこが解体され、中のお餅が配られます。
この餅を食べると、一年健康で過ごせると言われておりまた、つつこの藁を持ち帰ると縁起が良いとされています。
今回は、福島県伊達市で3月2日に行われる「つつこ引き祭り」を紹介しました。
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は岩手県で語られていた民話「下の爺と上の爺」です。
お話に出てくる
「どっこ」は「竹で作った漁具」
「そっこと割れ」は「静かに割れ」
「福しくなった」は「裕福になった」
「あぐ」は「灰」
「まなぐ」は「目」という意味です。