みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。(再生ボタン▶を押すと番組が始まります)

さて、今日紹介する東北の話題は、秋田県美郷町六郷で2月10日火曜から14日土曜に行われる「六郷のかまくら」です。町の子どもたちが祭りの初日に、緑・黄・赤・白・青の順番に長く継ぎ合わせた短冊状の色付き半紙に願い事を書き初めしたものを「天筆」と呼び、長い青竹の先端に結び付けて戸外に飾ります。12、13日には、屋根のない壁だけのかまくらに茅を編んで作った筵をのせ、その中に「かまくら大明神」を祀ります。これを「鳥追い小屋」といいます。屋根がないのは、子どもたちが中に入って炭火を焚いてもガス中毒にならないよう工夫した先人の知恵と考えられています。以前は、子どもたちが互いの町内の鳥追い小屋を訪問し合い、鳥追い唄を歌って過ごしたそうです。

最終日に行われる「竹うち」は、六郷地区の男たちが北軍と南軍の二手に分かれ、それぞれが長さ5~6mの青竹を持ち、敵軍と打ち合いをします。長い竹で互いに激しく打ち合いをしていると、じきに竹同士がからまりあい、さらに時間が経つと竹と竹が何十本も重なり合った状態になり、持ち上げられなくなります。

そこからは力勝負の押し合いになり、最終的に相手陣営に押し込んだほうが勝ちになります。北軍南軍どちらが勝ったかによってその年の米のでき具合が占われ、北軍が勝つと豊作、南軍が勝つと米の価格が上がるといわれています。過疎化で以前に比べると参加者は少なくなりましたが、現在も両軍合わせて200人近くが参加します。

「竹うち」の間に行われる「天筆焼き」は、正月飾りを焼くドンド焼きの火で天筆を焼く行事で、書いた願い事が神様に届くといわれています。ドンド焼きに投じられた天筆が、炎の勢いにあおられ、燃えながら空高く舞い上がります。高く上がれば上がるほど願いがかなうとされ、字が上手になる、学校の成績が上がる、火の粉を浴びると一年間病気にかからないなどの御利益が得られるといわれています。

この一連の行事を総称して、「かまくら」といいます。一般にかまくらというと、雪で作った室が有名ですが、横手のかまくらも本来は六郷のかまくらと同じでした。かまくらの中の鳥小屋行事だけを残して観光利用したものが横手のかまくらです。この「六郷かまくら」は各地の小正月行事が失われつつある中にあって今なお本来の姿を保ち、住民の伝承意識が高いことから貴重なものとされています。
今回は秋田県美郷町六郷で2月10日から14日に行われる「六郷かまくら」を紹介しました。
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は青森県で語られていた民話「かわうそときつね」です。お話に出てくる「わいにばり」は「わたしにばかり」、「ひとぎり」は「一度ぐらい」、「かがかがとなって」は「かたく凍り付く様子」、「わさくさしてる」は「じたばたしている」という意味です。
