みなさま、おばんです。山形県出身の内藤美保がお送りする「こばえちゃ東北」。この番組では、東北各地の行きたい、食べたい、知りたいをお届けしています。「こばえちゃ」は山形県庄内地方の方言で「おいでください」という意味です(再生ボタン▶を押すと番組が始まります)
今日は福島県二本松市で行われる「二本松の菊人形」を紹介しましょう。

秋の二本松を代表する観光イベントといえば、やはり「二本松の菊人形」。色とりどりの菊の花で飾られた人形が歴史ある城跡を舞台に並ぶ、全国的にも知られた秋のイベントです。
まずは二本松市から紹介していきましょう。二本松市は福島県の北中部に位置し、西には安達太良山、東には阿武隈山地が広がり、市の中央を阿武隈川が流れています。二本松市の人口は約4万9千人です。二本松地域、安達地域、岩代地域、東和地域の4つの地域から成り立っています。二本松は、江戸時代には二本松藩の城下町として発展した歴史ある街です。現在も、二本松城跡をはじめ、温泉や安達太良山などの観光資源があり、季節ごとにさまざまな楽しみ方ができます。
春には桜、夏には安達太良山などの自然、秋には今回紹介する菊人形や提灯祭り、そして冬には温泉やスキーなど、一年を通して観光を楽しめる街でもあります。また、二本松は農業も盛んです。米を中心に、野菜や畜産、(観賞用植物の生産)花きなど、地域の自然環境を生かした農業が行われています。
さらに、二本松ならではの産業として知られているのが、日本酒や和菓子、家具、和紙などの伝統産業です。特に日本酒は、安達太良山の伏流水と良質な米を生かした酒造りが行われ、市内には複数の酒蔵があります。そして、二本松市は文学や芸術とのつながりも深い街です。高村光太郎の詩集「智恵子抄」で知られる高村智恵子の生誕地でもあり、智恵子の生家や記念館などもあります。歴史、自然、産業、文化。こうしたさまざまな要素が一緒になって、現在の二本松の街を形作っています。
では、ここで二本松のご当地グルメを紹介しましょう。二本松を代表する郷土料理のひとつが「ざくざく」です。名前の通り、野菜や豆腐などの具材を、さいの目に切って「ざくざく」と煮込んだ汁物です。昔から冠婚葬祭などの特別な日に食べられてきた料理で、家庭や地域によって具材やだしに違いがあるのも特徴です。同じ「ざくざく」という名前でも、お店や家庭によって味わいが違う。そう考えると、食べ歩きをしてみるのも面白そうですね。
そして二本松には、もうひとつ注目したいご当地グルメがあります。それが「安達太良カレー」です。安達太良山をイメージしたご当地カレーで、市内の飲食店などで、それぞれ工夫を凝らしたカレーを楽しむことができます。地元の食材を使った料理や昔ながらの郷土料理、そして日本酒や和菓子など、二本松には食の楽しみもいろいろあります。
続いて二本松のご当地キャラクター「菊松くん」を紹介しましょう。菊松くんは、「二本松の菊人形」のマスコットキャラクター。特徴は、名前の通り菊の花をイメージした頭です。出身地はもちろん二本松市。誕生日は9月9日で、これは「菊の節句」にちなんでいます。菊人形のPRを担当し、会場や各地のイベントなどで二本松の魅力を発信しています。
それでは、ここから今回のメイン、「二本松の菊人形」を紹介しましょう。今年の「二本松の菊人形」は、今回で70回目。会場は、二本松城跡がある霞ヶ城公園です。開催期間10月10日土曜日から11月23日月曜日・祝日まで。午前9時から午後4時まで、期間中は休まず開催されます。入場料は高校生以上の一般が千円、中学生以下は無料です。
そして、今年のテーマは、「豊臣家の絆と丹羽家の誇り」。2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の名場面や、二本松少年隊の姿などを、菊人形によって表現します。菊人形というと、たくさんの菊の花を見るイベントというイメージがあるかもしれません。もちろん美しい菊花を楽しめるのですが、二本松の菊人形の特徴は、歴史上の人物や場面を菊の花で表現しているところです。人形の衣装や表情、そしてその周りを彩る菊の花。近くで見ると、一輪一輪の花が丁寧に配置されていることに気づきます。
この菊人形を支えているのが、「菊師」と呼ばれる職人です。二本松市によると、現在二本松には3人の菊師がおり、さらに見習いとして修業している人もいます。人形にはまず檜葉を取り付け、その上から色合いなどを考えながら菊の花を一つひとつ付けていきます。こうした職人の技術によって、人物の衣装や場面が菊の花で形作られていきます。
会場では、菊人形のほかにも、さまざまな菊の展示を見ることができます。福島県菊花品評大会、二本松菊花品評大会、菊のガーデンコーナー、さらに動物などを菊で表現した展示も予定されています。そして、菊の展示で特に注目したいのが「千輪咲」です。一本の茎からたくさんの花を咲かせる菊で、その見事な姿は菊づくりの技術を感じさせてくれます。さらに今回は70回という節目の年。過去の菊人形を振り返る懐かしいコーナーや、以前展示されていた滝の流れの復活展示、二本松菊花愛好会による特作花壇など、記念の年ならではの企画も用意されています。
そして、菊人形と一緒に楽しみたいのが、霞ヶ城公園の紅葉です。会場となる霞ヶ城公園では、菊の花が見頃を迎える時期と、木々が色づく時期が重なります。特に紅葉は11月上旬ごろが見頃とされていて、菊の華やかな色彩と、赤や黄色に染まった木々を一緒に楽しめるのが、この季節ならではのポイントです。さらに今年は、霞ヶ城公園の日本庭園ゾーンで秋のライトアップも行われます。ライトアップされた紅葉が池の水面に映る景色も見どころです。日中は菊人形をじっくり見て、夕方からは紅葉のライトアップへ。昼と夜で違った霞ヶ城公園の表情を楽しむことができそうですね。また、菊人形の開催に合わせて、二本松市歴史観光施設「にほんまつ城報館」では「第48回二本松物産展」も開催されます。二本松の日本酒、ワイン、和菓子、伝統工芸品などが並びますので、観光のお土産を探す場所としても立ち寄ってみたいところです。
今回は、福島県二本松市と、70回目を迎える「二本松の菊人形」を紹介しました。次回は山形県大石田町の新そばまつりを紹介します。次回もどうぞお楽しみに。したばの~
