【とっておきシネマ】筒井康隆原作『時をかける少女』(1983年)

みなさん、お元気ですか?

サウンドブランチ 鳥飼美紀です。

新型コロナウィルスのため、新作映画のご紹介は当分お休みさせていただき、小説が原作になっている過去の映画の話題をおおくりしています。

さて、その第2弾は筒井康隆原作『時をかける少女』です。
先日(4月10日)、映画監督の大林宣彦さんが肺がんで亡くなりました。82歳でした。
大林監督といえば、広島県尾道市の出身で、尾道を舞台にした「尾道3部作」といわれる作品がよく知られています。
「転校生(1982年)」「時をかける少女(1983年)」「さびしんぼう(1985年)」です。
そのなかで原作があるのは「転校生」と「時をかける少女」ですが、今回は「時をかける少女」をご紹介しましょう。

「時をかける少女」は、1967年に発表された筒井康隆原作の同名SF小説で、現在は角川文庫などから発行されています。
ドラマ化されたり、アニメなどにもなっていますが、1983年に原田知世主演で公開され話題になりました。
当時16歳の原田知世の映画デビュー作であり、大林監督の代表作でもあります。
高校1年生の和子は、ある土曜日の放課後、誰もいないはずの実験室で不審な物音を聞く。
音のする方へ行くとラベンダーの香りが漂っていて、いつの間にか気を失ってしまう。
幼馴染の同級生・堀川と深町に発見され助けられた和子は、その事件から後に体験した出来事を、時間をさかのぼってもう一度体験していることに気づき混乱する。
それにはある人物が関係していた・・・。

原作の筒井康隆は、小松左京、星新一と並んで「SF御三家」と呼ばれていて、現在85歳。
私は当時、筒井康隆の大ファンで筒井康隆全集(1983年~1985年新潮社)を毎月購入していたほどです。
どちらかというとブラックユーモアの方に惹かれて読んでいましたが、「家族八景」などの“人の心が読める”七瀬シリーズも記憶に残っています。

映画前半は特に事件も起こらず少しゆるーい雰囲気ですが、後半に入るとぐっと展開がくっきりしてきて引き込まれ、ラストはとても爽やか。
坂や階段の多い尾道独特の風景、高校の制服や女子高生のブルマー姿、綺麗な言葉遣いなどがとてもノスタルジック。
昭和の青春SF映画の醸し出す懐かしさと、当時のアイドルの初々しい演技に心が洗われるような気がしました。
若かりし頃の岸部一徳さんの爽やかさに驚いたり、音楽を担当した松任谷正隆さんの姿をある場面で見つけて喜んだり、色々楽しめますよ。
そして、やはりこの作品も原作をもう一度読んでみたくなりました!

監督:大林宣彦
出演:原田知世 高柳良一、尾美としのり、岸部一徳、根岸季衣 ほか

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