【とっておきシネマ】角田光代原作『八日目の蝉』(2011年)

みなさん、お元気ですか? サウンドブランチ 鳥飼美紀です。

今週のお家でシネマ、小説が原作になっている映画は角田光代原作の『八日目の蝉』。

第35回(2012年)日本アカデミー賞で、10冠を獲得した傑作です。

最優秀作品賞のほか監督賞から脚本・音楽・撮影・照明など、ほぼ総なめ。

そして、複雑な関係の娘と母を演じた井上真央&永作博美が、それぞれ最優秀主演・助演女優賞を受賞しています。

土砂降りの雨の中、希和子は不倫相手とその妻の間に生まれた赤ん坊を衝動的に誘拐する。

“薫”という名を付け、その子を抱いて逃亡した希和子が行きついた先は、女性だけで共同生活をする施設。

しばらくはそこでの平穏な日々が続くが、事件の発覚を予感させる出来事があり、さらに逃亡する希和子と薫。

誘拐から4年がたったある日、1枚の写真がきっかけとなって希和子と薫の運命が大きく動く。

原作者の角田光代さんは、小学生の頃から作家を目指し大学在学中から作家として活躍。

2005年には『対岸の彼女』という作品で直木賞を受賞。

映画化された作品は、この『八日目の蝉』のほかにも「空中庭園」(小泉今日子主演)や「紙の月」(宮沢りえ主演)など。

どれも女性心理の描写が巧みで、一気に物語の中へ引き込まれていきます。

「蝉は何年も土の中にいて、地上に出るとわずか7日で死んでしまう。もし8日目を生きる蝉がいるとしたら、一人ぼっちで寂しい?」

「いや、もしかしたら他の蝉たちが見られなかった“綺麗なもの”が見られるかもしれない」…そんな台詞が出てきます。

希和子が薫に見せたかった“綺麗なもの”、成長した薫がずっと求めていた“何か”…それは、たぶん同じもの。

ラストでは、薫と共に私たち観る者もきっとその“綺麗な何か”に気づくでしょう。

原作:角田光代「八日目の蝉」(中公文庫)
監督:成島出
出演:井上真央 永作博美 森口瑤子 小池栄子ほか

こちらの記事もどうぞ

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.