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【とっておきシネマ】日本映画『BLUE/ブルー』

毎週金曜日、夜9時からの「とっておきシネマ」、鳥飼美紀です。
三田の桜も見ごろを迎え、お花見散歩に出かけたくなりますね。
4月に入りましたが、新型コロナウィルスは収まるどころか感染に加速がついています。
映画鑑賞は各劇場の感染対策を確認の上、どうぞ無理のない範囲での鑑賞をお願いします。
さて今週は、松山ケンイチさんがボクサーを演じた『BLUE/ブルー』という作品をご紹介しました。

©2021『BLUE/ブルー』製作委員会

【STORY】
ボクシングジムが舞台。
ボクシングを愛し情熱を注ぐも試合には勝てないトレーナー兼選手の瓜田。
どんなに努力しても試合では負け続き、基本はできていても弱い……と、ジムの後輩たちにも軽んじられていた。
その瓜田の高校の後輩で、親友でもある小川。
瓜田の勧めでボクシングを始めた小川だったが、天性の才能ですぐに瓜田を追い抜き、ジムで最も期待されるボクサーとなっていた。
そして、美容師の千佳は瓜田の幼馴染にして初恋の人。
瓜田にボクシングを始めるきっかけを与えた女性で、今でも瓜田は秘かに好意を寄せているが、千佳は小川と交際している。
ボクシングの才能も、千佳という女性も、自分の欲しいものをすべて手に入れている小川への羨望を隠し、彼を応援する瓜田。
そしてもう一人……好きな女性にもてたいがためにジムに通うようになった楢崎。
トレーナーの瓜田に「やってる風」程度のトレーニングを求める。
不純な動機でボクシングを始めた楢崎だったが、いつしか真剣に取り組み始め、ボクシングに魅了されていく。
やがて、小川に日本タイトルマッチの試合が舞い込み、瓜田の試合、そして楢崎のデビュー戦も決定する。
さて、3人の試合の結果は? そして瓜田と小川と千佳の関係は?

©2021『BLUE/ブルー』製作委員会

【REVIEW】
BLUE……青いという意味のほかに 愁いという意味もある。
ボクシングでは挑戦者を象徴するのが“青コーナー”だとか。
さらに青い春……青春を表す色でもある!
そして、努力が報われないことへの“愁い”……。
なるほどのタイトルである。
吉田恵輔監督は、中学生時代から30年以上ボクシングを続けていて、結果にかかわらず努力を尽くす者たちを見続けてきたという。
ボクシング映画を作るのが夢だった監督は、「流した涙や汗、すべての報われなかった努力に花束を渡したい気持ちで作った」と語る。
吉田監督の通うジムに瓜田のモデルがいた。
昼はダイエット目的の主婦相手にボクシングを教え、夜はジムの仲間たちと共に汗を流す。
面倒見が良く、絵にかいたような“いい人”である彼は2勝13敗、負け続けていた。
その彼への「今何してる?」という監督の思いがこの作品になったのだ。

©2021『BLUE/ブルー』製作委員会

私は、血が苦手、格闘技にもあまり興味がない。
しかし、引きこまれるようにこの映画を見て、そしてこうして紹介しているのには理由がある。
この作品には、ありがちな逆転劇や、努力が必ず報われるというファンタジーが描かれていないからだ。
熱い気持ちが熱すぎない温度で表現され、細部にまでリアリティがあったことが見事だと思ったからだ。
ボクシングっていいじゃん!
ラストしシーンでシャドウボクシングをする瓜田が抜群にカッコイイ!
BLUE……それは挑戦者の色、青春の色、そして愁いの色。
瓜田のようにどれだけ努力しても、小川のようにどれだけ才能があっても、約束された成功なんてない。
それでも前に進む姿が胸を打つ、静かに熱い若者たちの物語である。

監督・脚本・殺陣指導:吉田恵輔
出演:松山ケンイチ 木村文乃 柄本時生 / 東出昌大
2021年 日本 107分 配給:ファントム・フィルム
https://phantom-film.com/blue/
4月9日(金)~梅田ブルク7 109シネマズHAT神戸で公開

2024年4月
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