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【とっておきシネマ】日本映画『ツユクサ』

金曜日の夜9時からおおくりしている最新シネマ情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。

今週は、日本映画『ツユクサ』をご紹介しました。
~隕石を見つけた。草笛が吹けた。どっちも今の私に起きた、小さな奇跡~
大人の人生にそっと寄り添ってくれるあたたかい映画です。

©2022「ツユクサ」製作委員会

【STORY】

海辺の小さな田舎町で、ウオッシュタオルを作る会社に勤める50歳手前の五十嵐芙美。
彼女は一人暮らしで、気の合う職場の友人たちや、年の離れた親友の少年(友人の息子)に囲まれ、平凡な毎日を過ごしている。
ところがある夜、隕石の破片が芙美の車に衝突するというあり得ない出来事に遭遇。
1憶分の1の確率だという隕石との奇跡的な出会いだったが、彼女にはもうひとつ小さな出会いが訪れる。
日課であるジョギング中によくすれ違う草笛の上手な男性と、いきつけの店で偶然出会い、親しくなっていく。
しかし芙美には、ときおり哀しみが見え隠れし、彼女がひとりで暮らしていることにはある理由があった……。

©2022「ツユクサ」製作委員会

【REVIEW】
物語は、主人公・芙美さんの年の離れた親友・航平くんの語りで、芙美さんが隕石の破片に当たる奇跡のような出来事から始まる。
とにかく大きな事件は何も起こらないストーリー。
冒頭の隕石が当たる出来事以外は……。
ごくごく普通の日常が優しいタッチで描かれていくのみだが、それが退屈でもなく鼻につくわけでもないのは、俳優陣の演技力だろう。
主人公に小林聡美、タオル工場で働く仲良しの同僚2人には平岩紙と江口のりこ、芙美が出会う草笛の上手い男性は松重豊、航平くんに斎藤汰鷹。
そのほか工場長にベンガル、バーの店主に泉谷しげるなど、ごくごく普通の日常を生きる人としてそれぞれ完璧なキャスティングである。

©2022「ツユクサ」製作委員会

過去に何があったかはおいおいわかってくる芙美さんだが、きちんと丁寧に生きているのがとても好もしい。
部屋も片付いているし、一人暮らしでもきちんと手づくりのご飯を食べる、日課はジョギング、友人は多くはないけれど真心でお付き合い。
そんな、観ていて清々しい主人公の人生き方をお手本にしたくなるし、「普通が一番!」な~んて今更ながら思ってしまう。
青い小さな花が咲くツユクサは、春の終わりから秋のはじめまでロングスパンで開花を楽しめるという。

©2022「ツユクサ」製作委員会

この作品のタイトルがなぜ「ツユクサ」なのか?
「ツユクサの葉っぱが草笛にちょうどいい」と物語の登場人物が言う。
何気ない場所にごく普通に咲いているツユクサが、主人公の芙美さんの世界に繋がっているようだ。
“本を読んだ時に「いい読後感」という表現があるが、その感覚……心地よさとか、ふんわりした楽しさとか、そんなものが残る映画を作りたかった”と監督は語っている。
また、監督の希望でエンディング曲に中山千夏の「あなたの心に」(1969年)が起用されている。
心に溜まったものが洗い流されていくような、とても透明感のある昭和の名曲だとあらためて感じ、鼻歌が止まらない~。

監督:平山秀幸
出演:小林聡美 平岩紙 斎藤汰鷹 江口のりこ / 松重豊
2022年/日本/95分/配給:東京テアトル
http://tsuyukusa-movie.jp/
4月29日(金)~全国ロードショー
関西では、テアトル梅田 シネ・リーブル神戸 TOHOシネマズ西宮OSなど

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