毎週金曜日、夜9時からおおくりしている最新シネマ情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。
梅雨、あっという間に明けちゃいましたね。
猛暑の日々が続いていますが、くれぐれも体調管理には気を付けてくださいね。
さて、今週ご紹介した作品は、キング・オブ・ロックンロールと称されたエルヴィス・プレスリーの物語『エルヴィス』!
主演のオースティン・バトラーによる圧巻のステージパフォーマンスは、エルヴィスファンでなくとも必見です。
7/1(金)全国公開、イオンシネマ三田WTでも上映されているので、どうぞ劇場の大きなスクリーンでお楽しみください。
【STORY】
人気絶頂で謎の死を遂げたスーパースター、エルヴィス・プレスリー。
彼が禁断の音楽“ロック”を生んだライブの日から世界は一変した。
センセーショナルすぎるパフォーマンスから若者に熱狂的に愛された一方で、中傷の的になり警察の監視下に置かれる。
型破りに逆境を打ち破る伝説と、裏側の危ない実話。
世界一売れたスターの裏には強欲マネージャーがいた―。
彼を殺したのは誰なのか?
【REVIEW】
エルヴィス・プレスリーは、世界で最も売れたソロアーティストとしてギネス認定されているそうだ。
レコードの総売り上げ、30億枚!
1日で売り上げたレコード枚数、2000万枚!
出演したTV番組の最高視聴率は、なんと82%!
などなど、すごい伝説のオンパレード。
物語は、エルヴィスのマネージャー・トム・パーカーの語りで進んでいく。
パーカー役のオスカー俳優トム・ハンクスは初めての悪役らしいが、彼とは気づかないほどの特殊メイク。
「世界一売れたスター、エルヴィス・プレスリー。彼を殺したのは誰なのか?」
というサスペンス風のコピーだが、私はこの作品にサスペンスというより“ファンタジー”を感じた。
エルヴィスのいたあの時代に、めくるめく熱狂の渦の中に、いきなり放り込まれた~という感覚だ。
バズ・ラーマン監督は、この作品について雑誌のインタビューにこう答えている。
「伝記映画でもミュージカル映画でもない。エルヴィスを通して、50年代~70年代のアメリカという国を探索してみようと思った」
確かに当時のアメリカは意外なほど保守的で、人種差別も色濃く残っていたことが作品からうかがえる。
メンフィスという黒人の労働者階級が多い環境の中で育ったエルヴィス。
彼は慣れ親しんだ黒人の音楽であるブルースやR&Bに、白人の音楽であるカントリー・アンド・ウェスタンを融合した。
そんなエルヴィスの音楽スタイルは、若者を熱狂させると同時に、保守的な人々からの中傷の的にもなったのだ。
パーカー大佐に見いだされたエルヴィスが、あっという間に前例のないスターダムに上りつめる。
その20年以上にわたるパーカーとエルヴィスの関係が、変わりゆくアメリカ社会や文化を背景に描かれていくのだ。
そんな『エルヴィス』の見どころは多々あれど、やはり、たっぷり繰り広げられる圧巻のステージパフォーマンスは最高!
主演のオースティン・バトラーはエルヴィスそのもので、ものまねではなく魂の底からのエルヴィスを感じさせてくれる。
パーカーと出会う初めてのショーの直前にぶるぶる震えているエルビス。
ママを大切に思うエルビス。
音楽とファンを純粋に愛したエルヴィス。
オースティン・バトラーを通して甦ったエルヴィスの全てを、心から愛おしいと思う。
この夏、最も熱い映画『エルヴィス』。
ロックが生まれ世界が一変した熱狂の瞬間を、あなたにも体感してもらいたい。
映画『エルヴィス』
監督:バズ・ラーマン
出演:オースティン・バトラー トム・ハンクス ヘレン・トムソン リチャード・ロクスバーグ オリヴィア・デヨング
2022年/アメリカ/159分/配給:ワーナー・ブラザーズ映画
https://wwws.warnerbros.co.jp/elvis-movie/
公開:7月1日(金)~梅田ブルク7 大阪ステーションシティシネマ TOHOシネマズ梅田など。
もちろん、イオンシネマ三田WTでも上映。