みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
さて、今日紹介する東北の話題は、青森県八戸市で7月1日火曜に行われる「神明宮茅の輪祭」です。
神明宮は八戸市最大の祭り「八戸三社大祭」の三社の一つです。
八戸地方に夏の訪れを告げる神明宮の茅の輪くぐり。
茅でできた大きな輪をくぐり抜けることにより、今年前半のけがれをはらい落とし、残り半年間の無病息災を願う伝統行事です。
奉納神楽の披露や盆踊り大会が行われるほか、たくさんの出店が境内に立ち並び、一足早い夏祭りの風情を感じることができるお祭りです。
茅の輪くぐりの茅は、茅萱、菅、薄などの総称で、この輪をくぐり越えて罪やけがれを取り除き、心身が清らかになるようにお詣りするものです。
この神事の由来は、昔、スサノオノミコトが旅の途中で、蘇民将来、巨旦(こたん)将来という兄弟のところで宿を求めたのですが、弟の巨旦将来は、豊かな生活をしていたのにそれを断りました。
しかし、兄の蘇民将来は貧しい暮らしをしていましたが、スサノオノミコトをお泊めして、厚いもてなしをしました。
その後何年かたってスサノオノミコトは再び蘇民将来の家を訪れて「もし悪い病気が流行することがあったら、茅で輪を作って腰につけていれば病気にかからないですむでしょう」とお教えになりました。
このことから、「蘇民将来」と書いた紙を門にはっておくと災いを免れるという信仰が生まれました。
茅の輪も、最初は人々が腰につけるほどの小さなものでしたが、時代がたつにつれて大きくなり、これをくぐって罪やけがれを取り除くようになりました。
茅の輪の正式なくぐり方は先ず、茅の輪の前に立って軽く礼をします。
左足からまたいで輪をくぐり、左回りに回って元の位置に戻ります。
また礼をして右足から輪をくぐり、右回りで元の位置に戻ります。
また礼をして左足から輪をくぐり、左回りで元の位置に戻ります。
最後に礼をして左足からまたいで輪をくぐり、ご神前まで進みます。
二拝二拍手一拝の作法でお詣りします。
これが正式な茅の輪くぐりのやり方ですが神明宮茅の輪祭は人が多くて大混雑になってしまうので一度しかくぐらないそうです。
今回は青森県八戸市で7月1日に行われる「神明宮茅の輪祭」を紹介しました。
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は岩手県で語られていた民話「池端の石臼」です。お話に出てくる「駄賃付け」は「馬で荷物を運ぶ仕事」、「とどけでけもうせじゃ」は「届けてください」、「しゃべってわがねぇよ」は「話してはなりませんよ」、「不思議たででいた」は「不思議に思っていた」という意味です。