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【とっておきシネマ】フランス映画『すべてうまくいきますように』

毎週金曜日の夜9時からおおくりしている最新シネマ情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。

今週は、2月3日(金)公開のフランス映画『すべてうまくいきますように』をご紹介しました。
フランソワ・オゾン監督、ソフィー・マルソー主演で、家族の「安楽死」について問いかけるお話です。
繊細で難しいテーマではあるけれど、後味の良い作品だと感じました。

© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES

【STORY】
小説家のエマニュエルは、84歳の父アンドレが倒れたという報せを受け病院へ駆けつける。
診断の結果は脳卒中、命に危険はなかったが、身体に麻痺が残り、そのまま入院となる。
MRI 検査で脳梗塞が確認され、回復が見られないため転院するが、新しい病院のベッドに落ち着いた父アンドレはエマニュエルに頼む。
「終わらせてほしい」……つまり、安楽死させてほしいということ。
身体の自由がきかないという現実を受け入れられない父アンドレの気持ちは、どこまで本当なのか。
そして、父のその願いを娘のエマニュエルはどのように受け止めるのか。

© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES

【REVIEW】
フランスの脚本家エマニュエル・ベルンエイム(2017年死去)の自伝的小説の映画化。
安楽死という非常に難しいテーマではあるが、けっして暗い話ではないし、お涙頂戴でもない。
父親本人の意思を尊重し受け入れようと娘たちが行動を起こす展開は、いかにもフランスらしいといえる。
日本が舞台となれば良くも悪くも、もっとウェットな顛末になると思うが、ドライで所々くすっと笑える親子のやり取りがナチュラル。

© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES

エマニュエルの家族は、父アンドレと母クロード、そして妹のパスカル。
両親は何年も別居しているのに離婚しないという不思議な関係を続けている。
そして、この家族にはもう1人関わりのある人物がいて、エマニュエルとパスカルからは“くそ野郎”と酷い呼ばれ方をしている。
その人物の存在がなければ、元実業家でシニカルなユーモアが得意な父アンドレをエマニュエルは手放しで愛せたはず。
父親に対するわだかまりのあるエマニュエルは、「悪い父親だけれど、父のことが大好き。友達ならよかった」と嘆く。
「ならば、友達として手を貸すのよ」と友人からアドバイスされ、父親の意思を受け入れることになるのだ。

© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES

法律上フランスでの安楽死は難しいので、エマニュエルはスイスの安楽死を合法的に支援する協会とコンタクトをとる。
一方で、リハビリが功を奏し日に日に回復する父は、孫の発表会やお気に入りのレストランへ出かけ、生きる喜びを取り戻したかのように見える。
果たして父は考えを変えるのか、誰かが止めるのか、あるいは法律に止められるのか。
緊迫感に満ちた展開の先に用意された、想像を裏切る結末とは……。

© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES

家族の「安楽死」を受け入れるか拒絶するか、観客のそれぞれで考え方が違って当然の重いテーマではあるが、物語は軽やかに描かれている。
父と娘に、わかり合えることとわかり合えないことの両方があるとしても、「嘘」や「偽善」の無いことが、この作品の後味の良さに繋がっているのだろう。
アンドレ・デュソリエが何とも憎めない父親役、ソフィー・マルソーが父親に振り回されながらも気丈に寄り添う娘役、というキャスティングも申し分ない。

監督・脚本:フランソワ・オゾン(『ぼくを葬る』『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』)
出演:ソフィー・マルソー アンドレ・デュソリエ ジェラルディーヌ・ペラス シャーロット・ランプリング ハンナ・シグラ エリック・カラヴァカ グレゴリー・ガドゥボ
2021/フランス・ベルギー/113 分/配給:キノフィルムズ
https://ewf-movie.jp/
2/3(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ 他公開
関西では、アップリンク京都、シネ・リーブル梅田、kino cinema 神戸国際など

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