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【とっておきシネマ】日本映画『怪物』

今週2本目の映画は、先日開幕したカンヌ国際映画祭で、スタンディングオベーションを巻き起こした『怪物』。
監督は、カンヌ国際映画祭の常連、是枝裕和監督。
監督の長年の念願が叶ったという音楽を担当した故坂本龍一さんのピアノ曲が心に沁みます。

(C)2023「怪物」製作委員会

【STORY】
大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。
それは、よくある子供同士のケンカに見えた。
しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大ごとになっていく。
そしてある嵐の朝、2人の子供が忽然と姿を消した―。

(C)2023「怪物」製作委員会

【REVIEW】
面白い構成が、非常に効果的だ。
一つの出来事について、物の見方や人の考え方は一つではない……という当たり前のことを突きつけてくる。
親、教師、子ども、三方向からの見え方、考え方が全く違う。
どれが真実なのか? それとも、どれも真実なのか? いや、もしかしたら真実なんてこの世の中にないのでは?

(C)2023「怪物」製作委員会

これまで是枝監督はデビュー作を除いて、脚本はすべて自分で書いてきたが、今回は坂元裕二の脚本。
彼にはTVドラマ「東京ラブストーリー」「カルテット」「大豆田とわ子と3人の元夫」などの作品がある。
ということで、今までの是枝作品とは少し違った味わいがあるはず。

(C)2023「怪物」製作委員会

シングルマザーの早織。最近、息子の湊の様子が少しおかしい。当然考えられるのは学校でのイジメ。
どうやら教師からのモラハラ、暴力があったらしいとわかる。
当然のこととして早織は学校に事情を聞きに行くが、この学校(特に校長)があきれるほど血の通っていない対応をする。
母親の早織からは、得体のしれない“怪物”のように見える教師たち。
同様に、教師から見た子供たちというのも理解が難しい“怪物”かもしれない。
では、子供たちから見た怪物とは……?

(C)2023「怪物」製作委員会

物語は、それぞれの立場からの同じ場面が繰り返される。
果たして、あなたは真実が見つけられるだろうか?……というか、真実とはいったい何だろう?

監督:是枝裕和
脚本:坂元裕二
出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広 中村獅童 田中裕子
2023年/125分/日本/配給:東宝、ギャガ
https://gaga.ne.jp/kaibutsu-movie/
6月2日(金)~公開
関西では、大阪ステーションシティシネマ TOHOシネマズ゛西宮OS イオンシネマ三田WTなど。

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