みなさま「おばんです」
山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。
この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
さて、今日紹介する東北の話題は、山形県最上郡大蔵村で5月11日土曜から6月2日 日曜まで行われる「肘折温泉 山菜の食まつり」です。肘折温泉は開湯千二百年の歴史をもち、古くからの湯治場として知られています。山菜は山形県内のほとんどの地域で採れますが、雪深く厳しい環境に長い期間さらされ、雪どけとともに一気に芽吹く場所では、太くてみずみずしい、質の良い山菜が育つといわれています。積雪量が4メートルにも及ぶ肘折はまさにこの条件に最適な場所です。雪深い肘折で採れた山菜は、おいしさがひと味もふた味も違います。山菜は標高の低いところから出始め、雪どけといっしょに、山菜の出る場所も山の上へとのぼっていきます。肘折のような高い場所では、まずは山の下の方の山菜を食べ、七月初めくらいまで雪どけの遅い山の上の山菜も楽しめるため、平場(ひらば)より長い期間、山菜が食べられるのも魅力です。
肘折の里で桜が咲き花びらを散らすころ、野山では様々な命が芽吹きはじめます。そんな光景を想い浮かべると、山菜採りの魅力を知る人たちは「あの場所に、もう山菜が出たんじゃないだろうか」と、気もそぞろになり、すぐにも山に行きたくなるのだそうです。地元の人々がこれまで食べてきた地域の資源であり、財産である山菜。これを外部の方にも食べてもらおうと始まったのが「肘折温泉 山菜の食まつり」です。期間中、肘折温泉にある二十軒の温泉宿に宿泊すると、おひたしや天ぷら、味噌汁など定番の山菜料理のほか、そこでしか味わえない様々な山菜料理が食べられます。例えば山菜のサラダや、うどのくるみあえ、うどとにしんの煮物、たけのこの味噌汁、山菜の炒めもの、山菜しゃぶしゃぶ、数種類の山菜を入れた山菜汁など。使う山菜の種類によって、メニューが変わってしまうため、いつも同じにならず、何がでるかわくわくするのも山菜料理の楽しみの一つであり、毎年訪れる方がいるのも納得です。
また、新鮮な山菜がずらりと並ぶ「肘折温泉 朝市」も4月20日から毎日開催されます。ぜひ、肘折温泉のおいしい山菜料理を堪能しに行かれてみてはいかがでしょうか。
今回は山形県最上郡大蔵村で5月11日から6月2日まで行われる「肘折温泉 山菜の食まつり」を紹介しました。
【東北弁で語る民話】
今回は山形県で語られていた民話「話千両」を紹介します。
〜お話に出てくる方言〜
「たがいで」は「持って」
「あがっておくやい」は「召し上がってください」
「じんつぁ」は「おじいさん」
という意味です。
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