毎週金曜日に配信、「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。
今回は、4月19日(金)全国公開の日本映画『あまろっく』をご案内。関西出身の豪華キャストで贈る、笑って泣いてロックに生きるご実家ムービーです。実は兵庫県のみ4月12日から先行公開されているので、すでにご覧になった方も多いかもしれませんね。
~鳥飼美紀のシネマエッセイ~
幼い頃の私の写真を見てみると、たいてい眉間に皺を寄せて難しい顔をしている。きっと、周りの人たちからは「愛想のない子」と思われていたに違いない。たしかに愛想はなかったし、親にも他人にも甘えることのできない子どもだったと思う。それがいまだに尾を引いているような気がしないでもないが、そんな私が近ごろ注目している女優さんが、江口のりこさんである。もしも「愛想ない同盟」があるとしたら、その代表を担えるほどの愛想のなさではないだろうか(誉め言葉である)。表も裏もなく、人に媚びない潔さに好感を持つ。そんな江口のりこさん、姿も表情もあっさりしているけれど、実にリアルな演技をなさる。
映画『あまろっく』で江口さん演じる優子は、その名のとおりの優等生。京大卒のエリートだったはずなのに、周囲と上手く関われずにリストラされてしまう。やむなく尼崎の実家に帰ってくるが、ある日突然、65歳の父親から再婚すると宣言される。その再婚相手の早希を演じるのが中条あやみさんだ。早希は孤独な幼少期を過ごしたため、“家族団らん”に執着し、何かにつけお節介だ。そんな早希と優子は、一つ屋根の下で母と娘として暮らし始める。ただし、母となった早希は20歳、娘となった優子は39歳……ひと悶着起こるのは容易に想像できるだろう。父親役は笑福亭鶴瓶さん、その他のキャストも一度は大阪制作の朝ドラで見たことのある関西出身の俳優さんばかり。悲しいシーンも描かれるが、コテコテ感たっぷりの明るく元気な関西ホームドラマ『あまろっく』は、あと味最高!
※「あまろっく」とは……兵庫県尼崎市にある尼崎閘門(あまがさきこうもん)。英語で閘門は LockGate(ロックゲート)であることから尼ロックという愛称で呼ばれている。船舶が通航できる巨大な閘門で、尼崎市の「0メートル地帯」に海水が流れ込むのを防いでいる。
巨大な閘門“尼ロック”によって水害から守られている街・兵庫県尼崎市。この街で生まれた近松優子、39歳独身。「人生に起こることはなんでも楽しまな」が口グセの能天気な父のようにはなりたくないと、幼い頃から勉学でも何でも全力で励んだ。しかし、大学卒業後は東京の大手企業でエリート街道をひた走るも理不尽なリストラに遭い、現在は実家でニートのような暮らしをしている。そんなある日、65歳の父が連れてきた再婚相手はなんと、20歳! さて、この家族……どうなる?
監督:中村和宏
出演:江口のりこ 中条あやみ 笑福亭鶴瓶 他
2024 年/日本/119 分/カラー/シネスコ/5.1ch/配給:ハピネットファントム・スタジオ
©︎2024 映画「あまろっく」製作委員会
https://happinet-phantom.com/amalock/
4月19日(金)から全国公開
映画「あまろっく」主題歌 ♪アルカセ/ユニコーン
【とっておきシネマ】
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