みなさま「おばんです」
山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。
この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
さて今日は、これから見ごろを迎える山形県の花、「紅花」を紹介しましょう。紅花の原産地はエジプトともいわれ、シルクロードをたどって六世紀ごろに日本に伝わったといわれています。山形で栽培が盛んになったのは十五世紀半ばごろからで江戸初期には質・量とも日本一の紅花産地として栄えました。紅花染料は大変高価で『紅一匁(もんめ)金一匁』といわれたほど。最上川舟運によって、山形と京・大阪が結びつき、多くの紅花商人たちが活躍し、巨万の富を築いた豪商も現れました。明治に入ると化学染料に押され、生産は衰退しましたが、戦後、その保存と復興がはかられ、のちに山形県花・山形市花として制定されました。
山形県で栽培されている紅花は『最上紅花』といわれ、葉先が鋭く、とげのある種類です。山形県内では、紅花の咲く七月上旬~中旬頃に、各地で紅花まつりが開催されます。紅花生産量日本一の白鷹町では7月6日土曜と7日 日曜に紅花まつりが行われます。会場の白鷹町役場で紅花マルシェが行われ、町内の美味しいものや紅花の切花、紅花関連商品を販売します。また紅花染め体験や紅花風鈴絵付け体験など多数のワークショップも行われます。会場から車で10分ほどの中山地区にある中山大紅花畑は1.4ヘクタールの広さがあり、約1千万輪の紅花がご覧いただけます。山一面に広がる紅花畑は壮観です。
他にも、ジブリ映画「おもひでぽろぽろ」の舞台となった山形市高瀬地区では7月13日土曜と14日 日曜に紅花まつりが行われます。昭和61年から開催されている祭りでまつり会場の高瀬紅花ふれあいセンターでは約3万本の紅花が鑑賞できます。そして、紅花のプレゼントや紅花染め、紅花摘み体験、郷土芸能の踊りや紅花娘の写真撮影会などのイベントがあります。瀬地区から150メートルほど高地にある高沢地区では紅花鑑賞の他にも、昔、追い詰められた熊が岩から落ちるときに付いた爪痕が残り、その名が付いたといわれている「熊戸岩」や県天然記念物の巨木・開山杉などの観光スポットもあります。
今回はこれから見ごろを迎える山形県の花「紅花」を紹介しました。
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。
今回は山形県で語られていた民話「蛇婿入り」です。
お話に出てくる
「ええなけでやってもええ」は「好きな娘をくれてもいい」
「ける」は「くれる」
「あるごんだ」は「あるものか」
「ふくべん」は「ひょうたん」という意味です。
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