みなさま、おばんです。山形県出身の内藤美保がお送りする、新番組「こばえちゃ東北」。この番組は、東北各地の行きたい、食べたい、知りたいをお届けしています。「こばえちゃ」は山形県庄内地方の方言で「おいでください」という意味です(再生ボタン▶を押すと番組が始まります)

これから見ごろを迎える秋田県男鹿市の雲昌寺のあじさいを紹介します。
秋田県西部、日本海に突き出す男鹿半島に位置する男鹿市は、豊かな自然と独特の文化が息づく町です。人口はおよそ2万4千人。秋田市から車でおよそ1時間ほどの場所にあり、雄大な日本海の景色や夕日、美しい海岸線で知られています。

主な産業は漁業、観光業、農業です。日本海に面していることから漁業が盛んで、ハタハタや真鯛、紅ズワイガニなど季節ごとの海の幸が水揚げされます。また、温泉や景勝地、伝統文化を目的に多くの観光客が訪れています。初夏には、この時期ならではの旬の味覚が並びます。特におすすめなのが、岩ガキです。男鹿半島周辺で水揚げされる岩ガキは、6月ごろから旬を迎えます。身が大きく、濃厚でクリーミーな味わいが特徴で、「海のミルク」とも呼ばれる贅沢な味覚です。男鹿の海は水質が良く、ミネラル豊富なため、旨みの強い岩ガキが育つことで知られています。また、この時期は天然ワカメやサザエも美味しい季節。海沿いの食堂では、新鮮な海鮮丼や磯料理を楽しむことができます。日本海を眺めながら味わう海の幸は、男鹿ならではの魅力です。

さらに、秋田名物として知られるハタハタも男鹿を代表する味覚のひとつです。旬は冬ですが、干物や寿司、しょっつる鍋など一年を通して味わうことができます。しょっつるは、ハタハタを使った秋田伝統の魚醤で、男鹿の食文化には欠かせない存在です。

そして男鹿市を語るうえで欠かせないのが、国の重要無形民俗文化財にも指定されている男鹿のナマハゲです。大みそかになると、鬼のような面をつけ、ワラの衣装をまとったナマハゲが家々を訪れ、「泣ぐ子はいねが」「怠け者はいねが」と声を響かせます。一見すると怖い存在ですが、実は家々の無病息災や豊作を願う来訪神として古くから受け継がれてきた男鹿の伝統文化です。男鹿市内にはナマハゲ文化を体感できる施設もあり、地域を代表する観光資源となっています。

そんな男鹿市には、地域をPRするかわいらしいキャラクター「おが丸」がいます。おが丸は、男鹿の名物であるナマハゲをモチーフにしたキャラクターで、親しみやすい表情と愛らしい姿が特徴です。イベントや観光PRなどで活躍しており、子どもたちにも人気があります。迫力あるナマハゲ文化を、やさしく身近に感じてもらう存在として、男鹿市の魅力発信を支えています。

それでは、近年男鹿市の初夏を代表する風景として注目されているのが、雲昌寺のあじさいを紹介しましょう。雲昌寺は、もともと地域に親しまれてきた静かな寺院ですが、副住職・古仲宗雲さんが「地域の人が集まれる場所をつくりたい」という思いから、二十年以上前にあじさいを植え始めました。最初は小さな取り組みでしたが、丁寧に育て続けた結果、今では境内を埋め尽くすほどのあじさいが咲く「あじさい寺」として全国的に知られる存在になりました。

境内には2千株以上ともいわれる青いあじさいが広がり、その景色はまるで青いじゅうたんのよう。男鹿半島を吹き抜ける海風と静かな寺院の空気に包まれながら眺めるあじさいは、訪れる人の心を穏やかにしてくれます。また、境内のあちこちにハート型の敷石がさり気なく設置されていて、七個全部見つけることができると願いが叶うといわれています。例年の見ごろは6月中旬から7月上旬ごろ。これからの季節、男鹿は爽やかな初夏を迎え、あじさい観賞にはぴったりの時期となります。夕方からのライトアップでは、昼間とは違う幻想的な風景も楽しめます。

伝統文化として受け継がれるナマハゲ、豊かな日本海の恵み、そして初夏を彩る雲昌寺のあじさい。男鹿市には、四季を通して訪れたくなる魅力が詰まっています。今回は秋田県男鹿市と雲昌寺のあじさいを紹介しました。
次回は福島県北塩原村の五色沼を紹介します。どうぞお楽しみに。したばの~
