みなさん、こんにちは。サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
やっと近畿も梅雨明けが発表されましたね。いよいよ夏本番です。
さて、今週のとっておきシネマ…これをコメディと言ってよいのかどうか迷うところです。
1人の人間の死の真相をめぐるドタバタ劇なのですが、その真相というのがシュールすぎて…絶句!
仲間の死の真相を知っている男2人が繰り広げる、哀しいほどの悪あがきが笑いを誘う、という強烈な作品です。
アラバマの片田舎で暮らすジーク、アール、ディックの3人は売れないバンド仲間。
練習と称して夜な夜なガレージに集まっては、酒を飲んでバカ騒ぎをする日々。
ところがある晩、いつものばか騒ぎでディックの身にとんでもない悲劇が降りかかる。
やがてディックは病院の前で発見されるが、すでに死んでいた。
殺人事件として警察の捜査が進む中、真相を知っているはずのジークとアールは無関係を装い、自分たちの痕跡を揉み消そうとする。
誰もが知り合いの小さな田舎町で、徐々に明らかになる驚きの“ディックの死の真相”とは…?
小さな町の男たちの、ある“大きな秘密”が鍵となるミステリー仕立てのダーク・コメディ。
事の真相を隠すためについた嘘が逆に大事に発展し、あわれなほどに追い詰められていくさまがケッサクです。
さらに、事件を捜査する2人の女性警察官は頼もしい反面、おとぼけ加減も絶妙で、おおいに楽しませてくれます。
ディックの死因は、ジークたちの悪あがきをよそに徐々に明らかになりますが、驚愕にもほどがある…とだけ言っておきましょう。
とにかく、うろたえ、あがき、揉み消しに必死になるジークたちの迫真の演技が巧くて、笑えます!
なお、死んでしまうディック・ロングという重要な役は、誰もやりたがらなかったので監督自らが演じたそうですよ。
監督:ダニエル・シャイナート
出演:マイケル・アボット・ジュニア ヴァージニア・ニューコム アンドレ・ハイランド
2019年 アメリカ 100分 配給:ファントム・フィルム
http://phantom-film.com/dicklong-movie/
8月7日(金)から、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸で公開されます。