金曜の夜9時からお送りしている、最新映画情報番組「とっておきシネマ」。
今週の2本目は、
【STORY】
世界最大の仏原子力発電会社の労働組合代表モーリーン・カーニー。
会社とその未来、従業員5万人の雇用を守るため、彼女は中国とのハイリスクな技術移転契約の内部告発者となる。
自宅で何者かに襲われるというスキャンダラスな事件が起きる。
耐え難い肉体的暴力と、それを自作自演だと無理矢理供述させようとする権力側からの精神的暴力。
被害者から容疑者へという真逆の立場に追い込まれながら、屈することなく闘い続け、無罪を勝ち取るまでを描いた実話の映画化。
主人公のモーリーン・カーニー。眼鏡と真っ赤な口紅がトレードマークの、いわゆる“できる女”風。
印象的なのは、演じるイザベル・ユペールがほとんどのシーンで仏頂面、余計な感情を露わにしない演技で臨んでいること。
ちょっとした目の動きや唇のわずかな歪みなどで、哀しみや絶望の感情を(こちらに)読み取らせるユペールの表現力を絶賛したい。
時は2012年、大統領がサルコジからオランドに変わる年だが、この作品は背景にある政治的な事情よりも、ひとりの人間であり女性であるモーリーンに焦点を当てている。
彼女とその家族がどれだけ傷つき、そして最悪の状況からなぜ彼女は立ち直り、無罪を勝ち取れたのか……。
主人公のモーリーン・カーニーと事件については、映画の公式サイトに詳しく書かれてあるので、興味のある方は読んでみてほしい。
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:イザベル・ユペール グレゴリー・ガドゥボア フランソワ=グザヴィエ・ドゥメゾン ピエール・ドゥラドンシャン
2022年/フランス・ドイツ/121分
配給:オンリー・ハーツ http://mk.onlyhearts.co.jp/
10月20日(金)~全国公開 関西では、シネ・リーブル梅田 10月27日(金)~シネ・リーブル神戸