みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています(再生ボタン▶を押すと番組が始まります)

さて、今日紹介する東北の話題は、宮城県登米市で11月30日 日曜日に行われる「日本一はっとフェスティバル」です。

「はっと」というのは登米市の郷土料理で小麦粉に水を加え、耳たぶ程度のかたさになるまでよく練って適当な時間寝かせて熟成した生地を指で薄~く延ばしながら醤油仕立ての汁に入れたものです。また、お湯で茹でて、あずき、ずんだ、エゴマなどに絡めた甘~い「はっと」も人気です。「はっと汁」の出汁や具材は、登米地方の中でも地域や家庭によりさまざま。季節の野菜やきのこ類、鶏、豚などの具材と、出汁は鰹節、煮干しなど代々母から子へ受け継がれた家庭の味です。
登米地方は、今も昔も県内有数の米どころですが、お米を満足に食べられなかった昔は、この地方でも畑に小麦などの雑穀を栽培し飢えをしのいでいました。はじめは米の代用食でしたが、より美味しく食べたい、そんな思いが、今の美味しい料理になったのでしょう。「はっと」のなまえの由来は当時の領主が、このままでは農民たちが小麦づくりに精を出し過ぎて米づくりが疎かになるのではと心配し、この料理を食べることを禁止(ご法度)にしたためそれ以来「はっと」と呼ばれるようになったと言われています。

今回の「はっとフェスティバル」には定番の醬油味、「あぶら麩ときのこのはっと汁」「せり鍋はっと」や他にも「牛タンスープはっと」「韓国風コムタンはっと」お馴染みの「赤豚カレーはっと」など19店舗が参加し、定番からスイーツ系まで多種多様の味が出そろいます。一杯400円から500円で、出来たてのおいしい「はっと」の食べ比べができます。
今回は宮城県登米市で11月30日 日曜日に行われる「日本一はっとフェスティバル」を紹介しました。ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は宮城県で語られていた民話「親捨て山」です。お話に出てくる「わぎの国」は「隣の国」、「灰縄千尋(あぐなわせんひろ)」は「灰の縄1800m」、「すっかげられて」は「からかい半分に挑みかけられて」、「ねずくり玉」は「曲がりくねった玉」という意味です。
