【とっておきシネマ】アメリカ映画『ハリエット』

サウンドブランチ 鳥飼美紀です。

©2019 Focus Features LLC. ©Universal Pictures

今週ご紹介した映画は、南北戦争前後に活躍した奴隷解放運動家の物語、『ハリエット』という作品です。
新しくなるアメリカの20ドル紙幣に、史上初めてアフリカ系アメリカ人の肖像の採用が決定しているそうです。
そのアフリカ系アメリカ人というのが、この映画の主人公ハリエット・タブマンという女性です。
彼女は、アメリカで2008年に行った全国アンケート『アメリカ史で最も有名な人物10人』に入るほど知名度のある人物。
1849年、奴隷として生きてきたハリエットが、命がけの「自由への旅」へと走り出します。
それはほぼ奇跡に近いことでしたが、彼女の強靭な意思と頑強な体によって成し遂げられるのです。

©2019 Focus Features LLC. ©Universal Pictures

1849年、アメリカ中部メリーランド州。
“ミンティ”ことアラミンタ・ロスは、ブローダス一族が所有する農園の奴隷として暮らしていた。
幼いころから過酷な生活を強いられ、3人の姉たちは農場主によって売り飛ばされ、生死すらわからなくなっていた。
そんなミンティの願いはただ1つ、いつの日か自由の身となって家族と共に人間らしい生活を送ることだった。
彼女は自由黒人のジョン・タブマンと結婚するが、ある日、農場主のブローダスが急死、借金の返済に迫られた跡取り息子のギデオンがミンティを売りに出す。
売られたら、もう二度と家族には会えず、お互いの消息すらわからなくなる・・・悲運を察知したミンティは脱走を決意。
読み書きのできない彼女は、神の導きと夜空に輝く北極星だけを頼りに、奴隷制が廃止されたペンシルベニア州を目指してたった1人で旅立つのだった。

©2019 Focus Features LLC. ©Universal Pictures

「自由か、死か」。
この言葉がハリエットの口から何度も出てきます。
彼女の見据える未来には、動物のように扱われる“奴隷”としての人生はひとかけらもなかった…。
彼女は奴隷として生まれ落ちてから、過酷な労働だけの生活を強いられ、当然ですが読み書きができませんでした。
そんな彼女にできることは、自分が実際に手を取って一人でも多くの奴隷を自由な世界に導くことでした。
自分にできることを徹底的に実行する、その姿は時に神がかっているようにも感じられます。
ハリエットの、強い信念と勇気と行動力に圧倒される力強いこの作品、オススメです。

監督:ケイシー・レモンズ(女性監督)
出演:シンシア・エリヴォ レスリー・オドム・Jr ジョー・アルウィン
2019年 アメリカ 125分 配給:パルコ
https://harriet-movie.jp/
3月27日(金)~大阪ステーションシティシネマ TOHOシネマズ西宮OS 神戸国際松竹で公開
※公開延期になりました。詳しくはWEBサイトでご確認ください。

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