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【とっておきシネマ】日本映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』

毎週金曜日、夜9時からの「とっておきシネマ」鳥飼美紀です。

今週ご紹介した映画は、第21回東京フィルメックスで審査員特別賞に輝いた『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』という作品です。
「東京フィルメックス」というのは、アジアを中心としたユニークな作品がたくさん集まる映画祭なのだそうです。
この「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」は、小劇場のお芝居のように、滑稽さの中に深い意味が練り込まれた、とにかくユニーク!の一言に尽きる作品です。

【STORY】
一本の川を挟んで「朝9時から夕方5時まで」規則正しく戦争をしている二つの町。
彼らは、目的もわからない戦争をもう何十年も続けている。
その片方の町に暮らす主人公・露木は、真面目な兵隊。
朝から川岸に出勤し銃を構え、お昼は気まぐれなおばさんの定食屋へ。
そして勤務が終われば、物知りなおじさんの店の煮物を買って帰り、眠る。
そんな毎日をおくる露木に、ある日突然、音楽隊への人事異動が命じられる。
しかし、出勤したくても音楽隊がどこにあるのかわからず、なかなかたどり着けない露木。
そのうち、町では「新部隊と新兵器がやってくる」という噂が広がっていく…… 。

©2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト

【REVIEW】
何より、タイトルが素晴らしい!
あなたは、このタイトルでどんな内容を想像するだろう?
いつの時代でもない架空の町で、9時から5時まで規則正しく戦争をしている滑稽さ……。
堂々と、明らかにエコヒイキする音楽隊指揮者の滑稽さ……。
真面目だが、何でも忘れてしまう町長の滑稽さ……。
そして、生真面目な人々が、よくわからないのに戦争をする怖さ。
悲惨さ、哀しみ、理不尽な暴力などをリアルに描かなくても、戦いのばかばかしさや怖さを伝えることができるのだ。
登場人物が皆ポーカーフェイス(台詞棒読み)だからか、それが逆に強烈な反戦魂を表現しているように私には思える。
ユーモアと想像力に溢れたこの虚構の世界は、デフォルメされたポーカーフェイスという何だか矛盾したような表現方法で私たちに何かを突き付けてくる。
滑稽さの中に立ちのぼる怖さを、味わってみるのも新鮮である。

監督・脚本:池田暁
出演:前原滉 今野浩喜 中嶋広希 清水尚弥 橋本マナミ 矢部太郎 片桐はいり 嶋田久作 きたろう 竹中直人 石橋蓮司
2020年 日本 105分 配給:ビターズ・エンド
http://bitters.co.jp/kimabon/
3月26日(金)~ テアトル梅田、シネ・リーブル神戸などで公開

番組へのメッセージはメールでお寄せ下さい。
メール:honey@fm822.com 「とっておきシネマ」係とお書きくださいね。
番組の感想や、あなたの好きな映画について、好きな映画主題歌のリクエストなど、映画に関することなら何でもOKです。

映画は色々なことを私たちに教えてくれます。
1本の映画との出会いで、人生が変わることだってあるかもしれません。
映画が、あなたの人生の良きスパイスになるといいですね~。

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