みなさん、お元気ですか? サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今週のとっておきシネマは、『カセットテープ・ダイアリーズ』というイギリス映画です。
80年代のイギリスを舞台に、パキスタン移民の少年がブルース・スプリングスティーンの音楽に影響を受け成長していく、青春音楽映画!
ブルースの説得力のある歌詞が次々と出てきて、「頑張ろう」という気持ちが湧きおこり元気になれる作品です。
イギリス・ルートンの小さな町で暮らすパキスタン系の少年ジャベドは16歳。
バイト帰りにウォークマンで音楽を聴きながら自転車を走らせる彼は、9月からハイスクールに入学する。
だが彼は孤独に鬱屈を募らせていた。
保守的な街の人々からの移民への偏見、パキスタン家庭の伝統やルール、特に古い慣習を振りかざす父親に、内心強い反発を感じていた。
そんな日々の中で、ジャベドなりに時代を反映させた詩を書いてはいるが、まだ本当の“自分の言葉”を見つけられずにいた。
ところがある日、すべてのモヤモヤをぶっ飛ばしてくれる、ブルース・スプリングスティーンの音楽と出会う。
そして、ブルースの音楽とメッセージに勇気をもらったジャベドは、次第に正直な“自分の言葉”を表現できるようになり・・・。
英国ガーディアン紙でジャーナリストとして活躍するサルフラズ・マンズールの自伝的な回顧録が原作。
彼自身、ブルース・スプリングスティーンの大ファンで、ブルースのコンサートになんと150回以上も通ったとか。
主人公ジャベドの人生を変えたブルース・スプリングスティーン。
彼はアメリカの国民的アーティストで、ロック界の《BOSS》と呼ばれています。
そのブルースの歌詞とメロディーが満載、おなじみの名曲がふんだんに使用されています。
冒頭、「夢を語るな、実現するように動け」というブルースの歌詞に、私も心が躍りました。
しかし劇中、厳格なジャベドの父は「身の程を超えた夢ばかり追うな」と・・・。
でも人生って、応援してくれる人や認めてくれる人が必ずいるから、頑張る価値があります。
気がつけばジャベドには《BOSS》だけではなく、そんな人がちゃんといたのでした・・・。
監督:グリンダ・チャーダ
出演:ヴィヴェイク・カルラ クルヴィンダー・ギール ネル・ウィリアムズ
2019年 イギリス 117分 配給:ポニー・キャニオン
http://cassette-diary.jp/
7月3日(金)から 大阪ステーションシティシネマ シネ・リーブル神戸 TOHOシネマズ西宮OS で上映中