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【とっておきシネマ】イタリア・フランス映画『3つの鍵』

金曜の夜9時からおおくりしている、最新シネマ情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。

今週のとっておきの1本は、『息子の部屋』(2001年)でパルム・ドールを受賞以来、カンヌ国際映画祭常連となったナンニ・モレッティ監督の『3つの鍵』をご紹介しました。
イタリア映画界をけん引する俳優陣のキャスティングに加え、モレッテイ監督自身も舞台となるアパートの住人として出演しています。

© 2021 Sacher Film Fandango Le Pacte

【STORY】
ローマの高級住宅街に建つアパート。
ある夜、アパートに車が衝突し女性が亡くなる。
運転していたのは3階に住む裁判官夫婦の息子だった。
2階の女性は、夫が長期出張中のため一人で出産のため病院に向かう最中。
1階の夫婦は、仕事場が崩壊したので娘を朝まで向かいの老人に預けることにした。
小さな選択の過ちが、予想もしなかった家族の不和を引き起こし、彼らを次第に追い詰めていく。
彼らが手にする未来の扉を開く鍵とは?

© 2021 Sacher Film Fandango Le Pacte

【REVIEW】
ある夜の交通事故をきっかけに3家族が3様に問題を抱え、悩み、それが5年後、10年後まで尾を引く姿が描かれる群像劇である。
冒頭に起こった事故が、アパートの住人たちの生活を一変させる。
1階の夫婦は、事故によって仕事場が崩壊したので、幼い娘を隣の老人に預ける。
この老人には認知症の症状があり、2度目に娘を預けたときに老人と娘は夜まで行方不明になってしまう。
娘の父親は、老人が娘に何かしたのではないかという疑いに囚われ続け、極端な行動に出る。
また、2階の孤独な妻は、無事出産したものの精神的に不安定になってしまい、幻覚を見ることも…。
そして3階に住む裁判官の家族は、息子の起こした死亡事故をきっかけに家族関係が崩壊するのだ。

© 2021 Sacher Film Fandango Le Pacte

監督によると「親であることの難しさ」がテーマだという。
親としての決断、行動、その結果への責任……親であれば誰しもその難しさは実感しているだろう。
みずからの選択によって追い詰められていく親たちだが、それぞれの子どもたちの未来に明るい予感があるのが救われる。

監督・脚本:ナンニ・モレッティ
出演:マルゲリータ・ブイ リッカルド・スカマルチョ アルバ・ロルヴァケル ナンニ・モレッティ
2021年/ イタリア フランス / 119分 / 配給:チャイルド・フィルム
https://child-film.com/3keys/
9月16日(金)から全国順次公開 関西では、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、アップリンク京都など

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